幹事クリタのコーカイ日誌2018

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6月2日 ● ピアノ演奏における表現。

 ピアノを習ってもうすぐ8年になります。これだけ長くレッスンしてもらっている割には、なかなか上達しません。自分に才能がないということもありますが、ピアノは他の楽器に比べても本当に難しいと思います。

 とりあえずこの8年間で頑張ってきたのは、楽譜に書いてある通りの音とリズムで弾くことです。つまり「間違えずに弾く」。ピアノは鍵盤を叩けば正しい音が出ます。これは正確なピッチの音を出すこと自体に苦労する他の楽器に比べれば楽と言えば楽ですが、その代わりに複雑な和音も表現できるので、一度に出せる音の数が多くなるのが難しいところで、たくさんあるそれぞれの音を間違えずに弾くのはやはり大変です。

 それだけでも四苦八苦しているのに、実はそれはまだ演奏の入口に立ったに過ぎません。いまどき単に楽譜どおりの音を出すだけならコンピューターにでも任せておけばいいわけで、人が弾く以上は、そこに「表現」が加わってこないと音楽を演奏しているとは言えないのです。

 ところが叩けば音が出るピアノだけに、この表現をすることはかなり繊細な作業になります。例えばサックスなら音色を変えるのは比較的簡単です。息の量やスピード、方向、口の形、タンギングなどで簡単に音色は変わります。もちろん、それらをどう組み合わせて出したい音色を出すかということはテクニックがいる難しいことなのですが、少なくとも音の表情を変えるやり方はわかりやすいのです。

 ところがピアノはそうはいきません。鍵盤を叩けば音が鳴るだけに、どう叩くのか、そっと置くのか、上から叩きつけるのか、押し付けるのか、跳ねるのか、タッチだけで音色を変えていくのですから、本当に繊細なテクニックが必要になります。楽譜通りに弾くことだけで神経をすり減らしているようなレベルでは、これをコントロールするというのは、なかなかたどり着けない領域なのです。

 と、弱音を吐きながらも、そろそろそういうレベルでピアノと向き合う時期に来ているようです。まずは耳を鍛えて「音の違い」がわかるようにならなければ話は始まりません。いい大人になってから楽器を始めると本当にいろいろ大変ですが、その分面白いです。


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