幹事クリタのコーカイ日誌2018

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5月4日 ● 石川佳純の涙の勝利。

 突如として決まった世界卓球選手権女子団体戦の南北合同チーム「コリア」。日本戦を前に勝てないと考えた韓国と北朝鮮が急遽合同チームを結成して、さらにそれを国際卓球連盟が認めてしまうというルール無視の掟破り。中国に勝って優勝を半世紀ぶりに奪還しようと意気込んでいる日本チームが、こんなインチキで足元をすくわれてしまうなんてことは考えたくなかったのですが、終わってみれば日本が快勝して見事に決勝進出を決めました。

 とは言え、やはり世界の中でも強豪に数えられる両チームのエースが揃って出てくるだけに危うい場面はありました。特に第2試合の石川佳純と北朝鮮のキムソンイとの試合は今大会のベストゲームとして卓球連盟も称賛するほどの白熱したゲームとなりました。

 キムソンイはランキングこそ低いものの実力は折り紙つき。合同チームでもエースです。リオ五輪では石川を個人戦で破り、さらに団体戦でも福原愛に勝った実力者。ランキングが低いのは単に北朝鮮なので参加大会が少ないためです。石川にとってはリオ五輪のリベンジに燃える相手でもあります。

 試合は石川が良い立ち上がりを見せましたが、徐々にキムの卓球が石川にプレッシャーをかけていきます。勝負がかかった第5ゲームでは肝心なポイントでキムのエッジボールが繰り返し入って、石川の心がほとんど折れそうになっていました。あれだけ不運が続くと普通ならそのまま負けてしまいそうな流れだったのですが、そこから不屈の闘志で石川がカムバック。見事に紙一重の戦いを制しました。

 試合後に石川が涙ぐむのも当然というほどの苦しい戦いでしたが、それだけに感動的な勝利でもありました。試合後のインタビューで突然変わった対戦相手に複雑な心境だったことを明かしていましたが、部外者でさえおかしいと思うのですから、当事者の選手たちはもちろん困惑もしたことでしょう。その中でよくぞこの不利な状況をはねのけたものだと思います。

 そして石川キャプテンを支えて前後の韓国選手との試合に快勝した伊藤美誠と平野美宇も大したものでした。この3人が揃った最強日本チームがいよいよ世界一に挑みます。


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