幹事クリタのコーカイ日誌2018

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4月13日 ● ビジネスとしての音楽教室。

 今日最後のピアノ教室体験レッスン巡りに行ってきました。最後に行ったのは小さな手作り感あふれる音楽教室で、ピアノ1台、レッスン室もひとつだけ。先生も曜日ごとに交代していますが、いるのは1人だけです。5つ通った体験レッスンで飛び切り小さな教室でしたが、温かみのある「町のピアノ教室」という感じで、とても穏やかな気持ちになりました。

 音楽教室に通うのは音楽を通じて文化に触れることです。ならばやはりそこには人の手触りや文化の香りが漂ってなければならないと思います。ビジネスライクに音楽の技術を教えるだけのところには僕は通いたいとは思いません。音楽教室は文化の一端を担う場所であってほしいと思います。

 翻って経営という観点から音楽教室を考えると、そうは言ってもビジネスとしてが成りたたなければ運営を続けることができないというのもまた自明のことです。5つの体験レッスンに通い、これまで通ってきた音楽教室も含めて6ヵ所の音楽教室を通観すると、「文化」と「ビジネス」の狭間で懸命に努力している姿が浮かび上がってきます。

 子どもがたくさんいて、特に女児だったら大抵ピアノを習わせていたような昭和の高度成長期。もしくはあぶく銭が世間を回りまわって好景気に浮かれていたバブルの頃。そういう時代なら音楽教室はあまり苦労せずに生徒を集めて経営できていたでしょうが、今では少子化で子どもの奪い合いですし、サラリーマンの平均給与が下がりっぱなしで、親が「お稽古事」に出せる費用も限られています。

 必然的に子どもよりも大人、それも有り余る資産を持つ高齢者世代にターゲットが移っています。「大人の音楽教室」が花盛りとなりました。中にはあからさまに富裕層狙いのところもあります。また運営を効率化をして費用をかけずに収益を上げようと工夫しているところや、教室での利益よりも、それに付随する楽器や楽譜などで稼ごうというビジネスモデルのところ、イベントをたくさん企画してそこから収益を上げようというところもあります。いずれにしてもあれこれ独自色を出していかないとビジネスとして成立しづらくなっている業態であることは確かです。

 いくらITが進化しても、音楽やスポーツを教えることは「人」と「人」の関係が重要です。となると、昔からのやり方を大きく変えることが難しいだけに、結局良い音楽教室とは技術と人間性に優れた講師をどれだけ確保できるかによるんだろうなと、6ヵ所の音楽教室を体験して感じました。


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