幹事クリタのコーカイ日誌2018

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2月27日 ● 対戦相手をリスペクトすること。

 今回の平昌冬季五輪で僕の心に残った2つのシーンがあります。ひとつは小平奈緒。彼女が500mで36秒台を出して滑り終えた後に、沸き返る会場の観客に対して唇に指を当てて静かにするように促しました。次に滑る選手たちが競技に集中できるようにということでした。

 もうひとつはカーリング女子3位決定戦で最後の最後にイギリスのミュアヘッドの一投が失敗し日本に勝利が転がりこんできた時。日本の選手たちはバンザイやガッツポーズをして喜びを露わにしたわけではなく、静かにイギリスの選手たちと握手し、それからチームメイトとハグして涙を流しました。カーリングでは相手のミスに対して喜びを表現してはいけないというマナーが徹底しています。

 どちらも素晴らしいシーンだったと思います。スポーツは勝負です。対戦相手に勝つことが目的です。しかし同時に相手がいてくれて初めて勝負ができるのです。対戦相手は敵ではありますが、ともにスポーツを楽しむ仲間でもあります。対人競技はもちろん、スピードスケートやマラソンのようなタイムを競い合う競技、フィギュアスケートや体操のように演技を競う採点競技であってもそれは変わりません。だからこそ、小平やLS北見の選手たちのような対戦相手を尊重しリスペクトするような態度が求められるのです。

 僕が楽しんでいるテニスもそういうスポーツマンシップを重んじる競技のひとつです。相手のエラーを喜ばず、観客もミスショットに対しては拍手をしてはいけません。こちらのフレームショットやネットインでのラッキーなポイントでは相手に手を挙げて謝罪をします。たとえナイスショットを決めても対戦相手に向かってガッツポーズをするのもマナー違反です。相手を挑発するような言動はペナルティを取られることもあります。

 勝負に熱くなるあまりに時々そういう基本を忘れてしまう人もいますし、そもそも理解していない人もいます。時に日本の学生テニスではマナーの悪いチームも散見されます。ですが、テニスをしている以上は、いや、テニス以外の競技においても、小平やLS北見のような態度をしっかり守りたいものだと改めて感じました。


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