右手首の故障から長期にわたってツアーを離脱していた錦織が、復帰を目指して順調に仕上がってきています。全豪オープンを欠場して下部ツアーに出場、ニューポートビーチの大会こそ１回戦負けしてしまいましたが、ダラスの大会で見事に優勝を遂げました。これで次週からはニューヨークでのATPツアーに完全復帰となります。

　全豪に出ようと思えば出られたのでしょうが、負担の大きさを考えて回避し、コンディションを整えながら試合勘を取り戻すためにランキング下位の若手選手が多い大会を選んだ陣営の作戦は成功だったと思います。しっかりと試合数をこなして調整は万全となったようです。ツアー復帰に向けて実に良い感じです。

　これからの大きな大会と言えば3月のインディアンウェルズとマイアミのマスターズ1000の連戦。特にマイアミは得意な大会だけに、ここに焦点を合わせていることでしょう。現在27位まで下がっているランキングですが、少なくとも16位以内までに戻しておけば全仏でシードもつきます。今年からグランドスラムのシードが32から16に減ったので、ノーシードになる危険だけは避けたいところです。

　ただ昨年はインディアンウェルズ、マイアミともベスト８だけに、最低でもベスト４進出しないとポイントは増えません。いまの錦織にそれだけのパフォーマンスが期待できるかどうかは、もう少し様子をみないと何とも言えません。錦織以外のトップ選手たちもそれぞれに故障を抱えて調子を落としているだけに、相対的にはチャンスはありそうですが、あとはドロー次第ということになりそうです。