幹事クリタのコーカイ日誌2017

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12月1日 ● 電子決済と現金払い。

 いま中国では急速に電子決済が普及しているという話を聞いたことがある人は多いと思います。ネットにもそうした記事が多くあって、例えばこちら(「中国のあまりの変化に、驚きを隠せない?世界が注目する中国の決済革命?」)を読むと、日本との違いに愕然とします。ここまで近未来的な社会が実現している中国を遅れているとステレオタイプに思い込んでいてはいけません。

 電子決済のメリットはたくさんあります。消費者側の利便性はもちろん、店側も手間が省けますし、所得隠し、脱税などもかなり防止できます。インバウンドを考えたら電子決済を早く進めないと外国人観光客が金を落としてくれません。社会総体で見て利益を多く享受できるのですから、中国政府が強引にでも電子決済を推し進めるのはよくわかります。翻って日本ではなかなか電子決済は進みません。欧米各国に比べても現金払いの比率が高いと言われていますが、実際どこでも電子マネーが使えるわけでもないですし、電子マネーが使えるコンビニでも現金払いの客の方が多いのも実感できます。

 我が家でも僕はまだ電子決済を使う方ですが、妻と娘は「いつもニコニコ現金払い」派です。高額な買い物こそクレジットカードですが、そうじゃない限りはいつも現金で払っています。彼女たちの気持ちはもちろん僕もわかります。電子決裁は「借金」だという感覚があるからです。クレジットカードはともかく、マナカなどは先にチャージしているのですから借金ではないのですが、何となく現金払いの方が使いすぎないから安心という気分なのでしょう。

 こうした借金を恐れる気分というのは「商」よりも「農」を優先してきた伝統的な日本社会の気質を未だに引きずっているのかも知れませんが、さすがに明治維新から150年、そろそろ脱却していっても良い時期だと思います。なにより今後の社会では好むと好まざるとに関わらず電子決済が主流になることは間違いありません。携帯電話が出てきた時も、インターネットが登場した時も、抵抗して「そんなの要らない」と言っていた人たちがたくさんいましたが、今ではもう誰も要らないとは言いません。社会的インフラというのはそういうものです。10年後にこの記事を読んでどう思うか楽しみです。


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