幹事クリタのコーカイ日誌2017

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10月4日 ● 新党のネーミング考。

 希望の党に続いて立憲民主党ができました。民進党は希望、立憲、無所属の3つに分かれて選挙を戦うことになります。自民党に入れなかった保守系が希望の党、共産党入りにまで踏み切れなかったリベラル系が立憲民主党、一人でも選挙に当選できる自信がある現職が無所属となったようです。ごっちゃまぜで右往左往していた民進党がキレイに分割できたのは小池と前原の功績でしょう。ただ希望の党の一次公認リストを見ると自民党よりも立憲民主党を目の敵にしているようで、これでは「非自民の受け皿」というよりは「自民の補完勢力」でしかないと思いますけど、そのあたりのことは前原はどう考えているのやらです。

 それはさておき「希望の党」と「立憲民主党」というネーミングについて考えてみたいと思います。コピーライター(元)としては、なかなか気になるところです。まず「希望の党」。なかなかに古臭い手垢のついた感のあるネーミングです。しかも誰かが言ってましたが「宗教っぽい」です。新興宗教臭はぬぐえません。「希望」って戦後焼け跡世代かよ、という感じがしますし、「の」が入るネーミングもかつての新党ブームの時に散々出尽くしています。「太陽の党」「みんなの党」「次世代の党」「維新の党」「日本未来の党」「生活の党」なんてのを思い出します。思い出しますが、どれも大した勢力にはなりませんでした。

 「の」を使うことで柔らかさは出せます。政治に関心の薄い無党派層を狙っているのでしょう。平易でわかりやすい言葉を使えばいわゆる「B層」も取り込めるというか、騙せると思っている気もします。そのあたりの胡散臭さは、さすがにこのご時世にはバレてきている気がしますから、やはり「希望の党」はあまり良いネーミングとは思えません。もう少し政党の方向性とか理念が感じられるカチッとしたシャープなネーミングの方が今どきで良かったのではないかと思います。まあ雰囲気だけで説明不足感たっぷりのところも含めて小池百合子らしさと言えば言えますが。

 それに対して「立憲民主党」。もう古臭いを通り過ぎて化石です。戦前の政党名かと思うくらい古いです。明治政府時代に憲法制定を目指して作られた政党名みたいです。19世紀には最先端のワードであった「憲法」だったから政党名に良かったわけですが、21世紀の今では1周どころか3周くらい回ってカッコイイ、というわけでもありません。さらに残念なのが「民主」の部分。やはりつい先日までの民主党のイメージに引きずられてしまいます。なぜ「民主」を残してしまったのか、その言葉はマイナスイメージでしかないと思うのに、どこかで民主党への未練があったのかなと感じます。

 「立憲」も勘違いされがちでしょう。「憲法に立脚する」という意味でしょうが、新たに憲法を作ろうとしているように捉える人もいそうです。護憲のはずが改憲かと思われるのですから真逆の勘違いをされるのはお得ではありません。とは言え、希望の党と違って政党の理念は感じます。反面、堅すぎて無党派層は近づきにくいです。しかも略しにくいのもマイナスです。「自由民主党」で「自民党」みたいな語呂の良さがありません。略称は「立民」ではなく「憲民」(ビーフンか)でもなく、恐らく「立憲」になるんでしょうが、だったらなおさら「民主」は要りませんでした。まあ急ごしらえの政党ですからそこまで考えられなかったのかも。


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