幹事クリタのコーカイ日誌2017

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6月22日 ● 若者は大変、なのか。

 世の中の流れを見ていると、今の若者は大変だなぁと思ってしまいます。政治も経済も先行きが不透明で、未来への明るい希望が少ないからです。わかりやすく大変な少子高齢化とか人口減少とか年金問題とか環境破壊とかだけでも溜息が出てしまうのに、例えばロボット化でなくなる仕事、みたいな話がよく出てきますが、これも酷い話です。

 これからは単純作業はロボットがやるとか、付加価値を生み出さない仕事はロボットが、とか言いますが、そうは言っても誰も彼もが付加価値を生み出すようなクリエーティブでグローバルな仕事に携われるわけはないのであって、考えるのは苦手、コンピュータも嫌い、英語も話せない、体力勝負で、という人はかなりの割合で存在するわけです。

 そういう人たちはロボットに仕事を奪われたらどうするんだと。ロボットが代わりに仕事をしてくれるので人間は遊んで暮らせるんだぜ、というのが僕たちが子どもだった昭和の夢物語。今ではロボットに仕事を奪われたらそのまま貧困の海に沈んでいくということは誰にだってわかります。ロボットが生み出した価値はロボットを持っている人が享受するのであって、ロボットにとって代わられた人には何も回ってはきません。

 世界各国で独裁的な指導者が登場してきていて、日本も例外ではありません。手間がかかるし面倒くさい民主主義はすっかり流行らないものになってしまいました。独裁的な指導者は国民を監視して恫喝して従わせていきます。ごく内輪の人間だけで権益を独占します。文句を言う人間は潰されます。今の日本を見ているとそういう社会が着々と近づいてきています。

 こんな世の中、これからの若者は大変だな、生き辛いよなぁと同情してしまいます。でも、もしかしたらそれはカオスで無茶苦茶で、何がどうなるかわからないけれど、きっと未来は明るく楽しいと無邪気に信じていた時代に育った僕たちだからそう感じるだけなのかも知れません。若者は適応能力が高い生き物ですから、変われない中高年からすると大変そうでも、若者には「そんなもの」程度にしか感じていない可能性もあります。

 そうか、そうすると本当に生き辛いのは、これから老人になっていく我々世代なのかも。今の老人は裕福ですが、我々は年金も貰えないし、70歳まで働けとか言われるし、時代に適合するには年を取っているし、このまま下流老人への道に真っ逆さまというのだけは避けたいなぁ。


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