ついに巨人が12連敗を喫しました。球団新記録。過去の11連敗はあの1975年、長嶋巨人最初の年でした。長嶋が引退してV9戦士も高齢化し弱体化した巨人が最下位に沈んだ年です。あの年の弱さは今でもよく覚えていますが、あれより今の巨人は弱いのかと、しみじみ感慨にふけってしまいます。

　本当はあの時よりは強いだろうと思います。確かに打てません。投手も失点します。でも現状は投打がかみ合っていないのと、ちょっとした勝負運に見放されているだけのような気がします。戦力的に格段に劣っているわけではないのです。それなのにここまで連敗をしてしまうのは、やはり監督に問題があるからだとしか思えません。高橋監督は勝てる空気を作っていないからです。

　ただそれはあくまでも短期的な視点であって、もっと長い目で見たら、やはり長年にわたるチーム作りの失敗が大きな要因でしょう。要は自前の若手を育てずに常に外から戦力を強引に補充してくるやり方に問題があるとしか思えません。それは時にはカンフル剤にもなるし、うまくいった時には強くなるでしょう。一時的には。しかし長い目で見たら選手を育成するノウハウも、選手の調子の良し悪しや、成長ぶりを見抜く目も失われてしまいます。

　それがきちんとできているのが広島でありソフトバンクであり日本ハムです。いまの巨人には長年大金をかけて無理矢理に強くあろうとしてきたツケが回ってきています。金をかけていても手をかけてこなかったツケです。この病はかなり深刻です。ベテランと外国人だらけの巨人にいたら若手選手は芽を摘まれてしまうばかりです。

　今シーズンの巨人がどこまでも沈んでいくのか、もしくはどこからか反転攻勢をかけるのかはわかりません。ただ今年の結果いかんに関わらず、どうせまたオフには強引な補強を繰り返すだけなら、長期的にはもっと巨人は落ちていくのではないかと思います。