ムッシュことかまやつひろしが亡くなりました。78歳。もうそんな年齢だったのかと驚きます。確かにGSの人たちの中でも年長者だというのは知っていたし、考えてみればマチャアキだって70代になったのですから、ムッシュが80歳近くになっているのも当然なのですが、やはり随分と年月が経ったんだなぁと改めてじんわりとショックを受けます。ちなみにジュリーは68歳、ショーケンは66歳です。

　かまやつひろしと言えば「我が良き友よ」です。1975年、僕が中学２年の冬に発売されました。ラジカセでいつもエアチェックをしていた当時の僕は、この曲の歌詞に衝撃を受けました。友情に敏感な年頃です。大人になってもこういう友達との付き合いができたら良いなぁと思い願ったものです。実際に大人になってみたら、この歌の世界はファンタジーにしか思えませんが。

　「我が良き友よ」は「なごり雪」が出るまで僕の中で最も好きな歌１位になりました。ただ「我が良き友よ」が僕の中で１位になる下地は、実は前年の1974年に「よしだたくろう・かまやつひろし」名義で発表された「シンシア」にあります。たくろうがシンシアこと南沙織の大ファンで作ったというこの曲ですが、僕も南沙織が大好きでした。僕の「推しアイドル」史の１ページ目が南沙織だったのです。

　そのため「シンシア」を聴いた時にはまるで自分の気持ちを歌にしてもらったような気がして、たくろうとかまやつを急に身近に感じ始めていました。そのベースがあったからこそ、よしだたくろう詞曲、かまやつひろし歌の「我が良き友よ」を素直に受け止めることができたのだろうと思います。まあこの頃には「推し」は南沙織から山口百恵へと変わってしまっていましたが。

　ムッシュのご冥福をお祈りします。