「CMは偏差値40の人にも理解できるものじゃなきゃダメ」と先輩から教わったというブロガーのはあちゅうのツイートが炎上しました。彼女はネット界の「炎上芸人」と化している部分がありますから、炎上したところで何をいまさらという感じもしますが、まあ言い方は悪かったけれども言いたいことはわかります。

　僕たちが新人の頃は「中学生にも理解できるようにコピーを書け」と教えられました。広告では多くの場合、ターゲットは大人です。一部の業種を除いて中学生以下は商売相手ではありません。それでも平易な文章で誰にもわかりやすくコピーを書くことは大事な心構えであり、基本技術でもあります。難しいことを難しいまま書くならコピーライターは要りません。クライアントがそのまま書けばいいのです。

　かつて井上ひさしの言葉で「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」という有名な一節がありました（この言葉はさらに続くらしいのですが割愛します）。これこそ僕はコピーライターの基本姿勢だと思っています。こういう言い方にすれば無駄に炎上なんかしないのに、「偏差値」とか出してくるところが、はあちゅうの「炎上芸」たる由縁なんですけどね。