幹事クリタのコーカイ日誌2016

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1月29日 ● 再始動した伝説。

 全豪男子シングルス決勝。フェデラー対ナダル。史上最高の選手同士による「レジェンド決戦」。しかも2人とも故障から復帰しての決勝進出。これほどワクワクするカードはありません。

 1セット目はお互いに様子見のような展開でした。相手がどこまで復活しているのか、長年のライバルであり親友だけに探り合っているように見えました。ちょっとした隙をついて先にフェデラーがブレイクして先行、1セット目を取りました。先行逃げ切り型のフェデラーとしては良い立ち上がりです。

 2セット目はいつもの2人の試合展開になってきました。すなわちナダルがフェデラーのバックに強烈なトップスピンのフォアハンドを集め始めたのです。2008年頃の2人です。これをやられると片手バックのフェデラーが苦しくなってミスをし始めます。一気にナダルが2つブレイクをしてリード。ただフェデラーがセット終盤で1つブレイクバックをしました。これが次のセットに生きてきます。2セット目ナダルが取ってタイ。

 3セット目はフェデラーが一気に攻めかかります。より速い展開に持ち込んでどんどん攻めてナダルを防戦一方に追い込みます。ナダルに得意のカウンターショットを打たせないほど速い攻撃は2006年頃のフェデラーです。小気味よくポンポンとポイントを取っていくフェデラー。完璧な王者のテニスで楽々と3セット目を取り再びリードしました。

 4セット目はまたナダルのペースに。フェデラーが3セット目同様に速い攻撃テニスで攻めかかりますが、ミスが極端に増えました。決めにいくフォアハンドやボレーでミスを重ねる姿は2010年ごろのフェデラーでした。あの頃からフェデラーのミスが目立つようになりましたが、4セット目のフェデラーはまさにエースよりエラーが目立つ当時の姿でした。ナダルが4セット目を取って再びタイに戻してファイナルセットへ。

 ファイナルセットにもつれ込めばナダル有利というのは、今も昔もこの2人の対戦では変わりません。やはり先にブレイクしたのはナダル。こうなるともうフェデラーは万事休すかと思われました。しかし、2017年のフェデラーは違いました。ナダルのサービスゲームで毎回ブレイクポイントを握ります。簡単にはナダルにキープをさせません。その執念がついに実って、2回続けてブレイクに成功します。優勝がかかった9ゲーム目を何とかもぎ取ってフェデラーが勝利。奇跡の復活優勝です。

 素晴らしい試合でした。「生ける伝説」である2人の歴史がそのまま詰まったような決勝戦。勝ったフェデラーだけではなく負けたナダルも見事な復活劇。伝説は再び動き始めたのです。この2人が戻ってきた2017年のテニス界は実に面白くなりそうです。


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