幹事クリタのコーカイ日誌2016

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11月20日 ● 錦織の弱点。

 ツアーファイナルはマレーとジョコビッチの頂上対決となりました。勝った方が年間最終ランキングの1位となります。ただお互いの準決勝が対照的で、マレーはラオニッチ相手に3時間38分の激闘を繰り広げて辛うじて勝ち上がったのに対し、ジョコビッチは錦織相手にわずか66分で試合のけりをつけました。ジョコビッチにとってはかなりのアドバンテージとなることでしょう。

 さて、錦織です。ワウリンカ戦では素晴らしい試合であっさり勝利、マレー戦では激闘の末に惜敗、チリッチ戦では1セット目を取ったものの後半失速して逆転負け、そしてジョコビッチ戦では何もできずに惨敗。4試合戦ってどんどん内容が悪くなってしまいました。相手がどうこうではなく、錦織のテニスの内容がどんどん悪くなっていったという印象です。そして、これこそが錦織の一番の課題を提示しています。

 要は「体力」です。1試合、それも3セットマッチ限定なら錦織のテニスはジョコビッチやマレーにひけをとりません。しかし長い大会期間を通じてベストパフォーマンスを維持するだけの体力がトップ選手と比べて明らかに劣っていることが、今年は顕著に表れてしまいました。ツアーファイナルを除いて、ほぼ全ての大会は勝ち上がるにつれて強い調子の良い選手と対戦することになります。だから終盤に体力切れを起こす錦織は健闘しても優勝になかなか手が届かないということになってしまって、今年は250の小さな大会1つだけのタイトルに終わりました。

 3セットマッチのマスターズ1000大会ですら決勝進出がやっとなのですから、5セットマッチのグランドスラムではもっと錦織は不利になります。マイケル・チャンがコーチについてから、徹底的に体力増強を図ったということですが、それでもここまでとなると、年齢的にも今後さらに体力をつけられるのかどうか疑問です。プレースタイルからして、どうしてもポイントを取るのに時間がかかってしまうタイプですから、これ以上の改善は難しいかも知れません。

 後はとにかく「運」に恵まれることです。今回のツアーファイナルもそうでしたが、どうも錦織はドロー運が悪いことが多く、タフな相手が連続してしまいます。ただ長くやっていれば、たまにはラッキードローになることもあります。そういうチャンスを待ってうまく生かすしかタイトル獲得への道はないのかも。来シーズンはそんなチャンスが訪れることを願うばかりです。


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