幹事クリタのコーカイ日誌2016

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10月3日 ● 博士と呼ばないで。

 今年のノーベル医学生理学賞を東京工業大の大隅良典栄誉教授が受賞することになりました。授賞理由は「オートファジー(自食作用)の仕組みの発見」。細胞が自分自身の一部を分解し、栄養源としてリサイクルしたり、新陳代謝したりする仕組みを明らかにし、様々な生物に共通する根源的な生命現象の謎を解いたということです。このあたりは完全にマスコミ報道の引き写しです。

 これで日本のノーベル賞受賞は何と25人(米国籍の日本人含む)。さすがに覚えきれなくなってきました。僕が子どもの頃は湯川秀樹、朝永振一郎、川端康成、 江崎玲於奈、佐藤栄作の5人だけだったので覚えるのも簡単でした。その後も1981年福井謙一、1987年利根川進、1994年大江健三郎と単発的に受賞者が出たので、これも覚えられました。しかし2000年の白川英樹以降の怒涛の受賞ラッシュは驚くばかりで、とても全部覚えられるものではありません。

 それだけ日本の科学力が高くなったということなので、もちろん喜ぶべきことなのですが、よく言われるようにノーベル賞は30年くらい前の業績に対して贈られるものなので、今の日本の受賞ラッシュは20世紀後半の日本の科学者の研究レベルが高かったからこそ。それが現在まで引き継がれているかどうかは、これから先にわかることです。日本から優秀な頭脳が海外に流出していると言われていますし、発展途上国出身の科学者が欧米の研究機関で成果を挙げているという話も聞きますので、この先どうなるか心配です。

 ところで余談ですが、昔はノーベル賞を取るような学者は「湯川博士」「朝永博士」のように呼んでいたと思いますが、最近は「大隅氏」「大隅栄誉教授」のように博士とは呼ばなくなったように思います。田中耕一氏のように博士号を取得していない場合もありますが、ほとんどの自然科学系の受賞者は博士なのに、「○○博士」と呼ばないのは何故なんでしょう?博士が多すぎて今どきは「博士呼び」するとギャグっぽい感じがしてしまうからなのでしょうか?水道橋博士が悪いのでしょうか?


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