幹事クリタのコーカイ日誌2016

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9月11日 ● 不機嫌なオジサンたち。

 最近は「不機嫌な中高年」が多いんだそうです。言われてみれば世間を騒がすような犯罪やトラブルを起こしている中高年男性が目につきます。昔はその手の話は若者が主役だったのですが、今では40代〜60代くらいのオジサンが「いい年して何やってんだ」みたいなことをしでかしています。犯罪とまではいかなくても、不機嫌な顔をして周りに迷惑をかけているオジサンも多いです。同世代として気になっています。

 オジサンたちが不機嫌な理由は、多分「世の中に求められていない」からじゃないかと思っています。かつての日本的なサラリーマンの働き方である「年功序列・終身雇用」という制度がどんどん崩れてきたせいで、自分の居場所が失われていってしまいました。先輩たちが歩んできた道のりを自分たちも行けると思っていたら「もうそういう時代じゃないんだよ」と言われてしまい、だからと言って今さらどうするんだ?と迷路に入ってしまったのだと思います。

 これからはグローバルとデジタルの時代なんだから、そういう変化についていかなくては、と説教されたところで、グローバルもデジタルも若い世代に比べてハンデが大きすぎます。そもそもたとえ英語とITを勉強したところで、年齢だけで判断されて評価されそうにありません。同レベルなら若者が有利なのは、どんな分野だって一緒です。

 そうして悪いことをしたわけでも、サボっていたわけでもないのに、必要とされなくなり、いつの間にか八方ふさがりになってしまいました。気づけば昇進はおろか役職も仕事も奪われて、給料は下がり住宅ローンと教育費の負担ばかりが重くなってしまいました。専業主婦の妻は社会の変化をなかなか理解してくれません。何よりオジサンたちは社会人としてのささやかな「誇り」を奪われてしまったのです。自分が求められていないこと、これは本当に辛いです。かくして不機嫌なオジサンたちが大量発生するに至ったのです。

 僕自身、会社員としては似たようなものというか、そういう立場のオジサンの典型例です。コピーライターという楽しい仕事から配置転換されてしまい、急激に下がり続ける年収は本当に頭が痛いです。ただ辛うじて「不機嫌なオジサン」にならないで済んでいるのは、「会社以外の自分」をかなり前から意識しているからだと思います。会社だけ、仕事だけの自分ではなく、人生の中で仕事の占める割合を30%程度にとどめ、それ以外の部分の割合を増やしていくことを長年意識的にしてきました。テニスを筆頭に僕が仕事以外であれこれ忙しいのはその結果です。会社以外に拠り所があるせいで不機嫌にならなくても済んでいます。

 不機嫌な人生は周りにも迷惑だし、本人も楽しくありません。不機嫌にしていると余計に不機嫌になる悪い循環に陥ります。免疫力も低下して病気になりやすく早死します。上機嫌でいきましょう。


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