幹事クリタのコーカイ日誌2016

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9月8日 ● 錦織全米準決勝へ。

 全米オープンもいよいよ佳境に入っています。準々決勝の4試合はトップハーフとボトムハーフでは対照的な組み合わせになりました。トップハーフは「フランス祭り」で、ジョコビッチvsツォンガ、プイユvsモンフィスと、ジョコビッチ以外の3人がフランス人。特にナダルを破った若手のプイユの躍進は見事でした。この中をランキング通りにジョコビッチとモンフィスが勝ち上がりました。

 ジョコビッチにとっては極めて楽な勝ち上がりです。1回戦こそ少し苦戦しましたが、2回戦は不戦勝、3回戦は途中で相手が棄権、4回戦は楽勝して準々決勝も2セット取ったところでツォンガが棄権。相手が次々と棄権していくのですから、全く疲れることもなく舗装道路を楽々と走ってきたような印象です。次のモンフィスもお得意様だし、こうなるとむしろ楽をしすぎで大丈夫かなと心配になるくらいです。

 それに比べてボトムハーフは誰が勝ってもおかしくない大激戦でした。錦織vsマレー、デルポトロvsワウリンカと4人全員がジョコビッチに対抗できる優勝候補。錦織以外はグランドスラムタイトル保持者、そして先日のリオ五輪の金、銀、銅のメダリストが全員揃って潰しあいですから、ジョコビッチとしては高みの見物状態です。テニスに詳しくないサッカーファンのために例えるならブラジルがトルコやオーストラリア、メキシコと戦っているのに、片やドイツvsイタリア、アルゼンチンvsスペインをやっているようなものです。

 その中でまず錦織が世界2位で金メダリストのマレーをフルセットで撃破しました。2年前に決勝まで進んだ相性のいい全米ですから錦織の体調さえ万全ならかなりできるだろうとは思っていましたが、2週目に入ってギアがぐっと上がってきました。すっかりトップ選手の戦い方です。そしてワウリンカが強い時のワウリンカらしい戦いで、台風の目となっていたデルポトロを打ち砕きました。さすが強い時には滅法強いワウリンカです。

 この結果はデルポトロを大の苦手としている錦織にとっては朗報でしょう。本人も認めているように、高い打点で打ち下ろしてくるデルポトロの強烈なフォアハンドは、背が低い錦織にとってはかなり厄介なショットです。テニスには「相性」があり、フェデラーの片手バックハンドにとってナダルの跳ね上がるフォアハンドとの相性が極めて悪かったように、錦織にはデルポトロは食い合わせが悪い相手。だったら調子に波があるワウリンカの方がチャンスは広がります。

 決勝はジョコビッチと錦織になる可能性が高いと僕は予想しています。それだけ錦織が調子を上げてきました。マレー戦の疲れさえ残らなければいけます。


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