幹事クリタのコーカイ日誌2016

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8月15日 ● 錦織のメダルと熊谷一弥。

 錦織が3位決定戦でナダルに勝利して銅メダルを獲得しました。素晴らしいことです。相手は手首を故障しているとは言え、あのナダルです。大舞台に強い相手にフルセットとは言え、内容的には完全に上回っての勝利ですから、これは錦織の成長と健闘を称えるべきです。

 さて、錦織の銅メダルはテニス界にとって96年ぶりのメダルとなったわけですが、とは言え、テニス自体が長い間オリンピック競技から外されていたので、「96」という数字には少々下駄を履かされている部分がないとは言えません。もちろん、オリンピック競技ではなかった間は日本テニスの長い低迷期と重なっているので、どちらにしてもメダルなんか取れなかったという推測はできますが、それはあくまでも可能性の問題ですから何とも言えません。

 そして96年前のメダルは1920年アントワープ大会での男子シングルス熊谷一弥の銀メダルと、熊谷が柏尾誠一郎と組んだダブルスの銀メダルでした。これはなんと日本がオリンピックで初めて獲得した記念すべきメダルでもありました。テニス好きのクイズ王である僕にとってはこれは常識だったのですが、多くの人にとっては全然知らない話だったのでしょう。錦織のメダル獲得と同時に、熊谷の話も合わせて伝えられることになり、テニス好きとしては記録が発掘されて嬉しくなります。

 戦前の日本はかなりのテニス強豪国でした。グランドスラムで優勝までは届きませんでしたが、熊谷、柏尾以外にも清水善造、佐藤次郎などの世界的選手がいて、欧米の強豪選手と渡り合っていたのです。多くの人は日本テニスが強かったことなど知らなかったわけですが、錦織の活躍はそうした古いテニス選手たちに再び脚光を当てることになるので素晴らしいことだと思います。これからも錦織がどんどん「○○年ぶり」の記録を打ちたててくれることを期待しています。


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