幹事クリタのコーカイ日誌2016

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7月31日 ● 千代の富士は80年代の象徴だった。

 千代の富士(九重親方)が亡くなりました。まだ61歳。いかにも若いです。昨年秋に亡くなった北の湖も62歳でした。いくら力士が長生きできない人が多いとは言え、昭和を代表する大横綱が若くして立て続けに亡くなるというのは残念でなりません。

 子どもの頃からの相撲ファンだった僕は千代の富士のこともよく覚えています。体が小さい割に大きな相撲を取っては怪我を繰り返していた千代の富士が、いきなり相撲が変わって強くなった時は本当に驚きました。後で聴けば脱臼癖を治すために筋トレをしたこと、それとともにスピード相撲を身につけたことが彼を変えました。関脇で初優勝してから一気に横綱まで上り詰めた時の千代の富士は北の湖に代わる新しいヒーロー誕生という趣でした。

 千代の富士の速攻相撲は本当に新しい時代の横綱相撲という印象を受けました。スピードを生かして攻めるニュータイプ。80年代に相応しいシャープさと明るさがありました。ただまるで世代交代のように映りましたが、実際にこの2人は2歳違いとほぼ同世代です。北の湖が少年時代から注目されていた早熟の天才だったのに対し、千代の富士は典型的な大器晩成型だったので、70年代の北の湖、80年代の千代の富士と活躍した時期が大きくずれてしまいました。

 最初に「昭和を代表する」と書きましたが、千代の富士は昭和末期の「80年代を象徴する」人物の1人だという方が適切かも知れません。僕にとっても印象的だった80年代。こうやって少しずつ遠くなっていきます。ご冥福をお祈りします。


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