幹事クリタのコーカイ日誌2016

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7月13日 ● もっと自由を彼らに。

 今上天皇が「生前退位」の意向を示したという報道には驚きました。もちろん宮内庁は否定しているし、本当に生前退位ができるのかどうかも現行法では難しいのだろうと思いますが、僕はなかなか良いアイデアだと思います。昔から上皇という地位もあるのだし、82歳という年齢や健康状態、公務の多さを考えると、もう皇太子に譲位しても良いのではないかと思います。民間会社でも社長と会長の仕事は補完しあうものですから、「ご隠居」にはご隠居なりの立場からできることもあると思いますし。

 僕は根本的には天皇制について疑問に思っています。それは左翼的な意味ではなく、この21世紀の世の中に基本的人権が保障されていない、多くの自由を制限されて国家のために尽くすことを生まれた時から求められるような人々がいていいのかと思っているからです。職業選択の自由も居住の自由もないどころか、「好き嫌い」程度の発言さえ気を遣ってなかなか自由にさせてもらえない「逆差別」の人生を粛々と受け入れている人たち。彼らをこれからもずっと国家に縛り付けておいて本当に良いのかと感じるからです。

 とは言え、「天皇制反対!」と左翼の人たちのように叫ぶつもりは毛頭ありません。むしろ現在の日本において天皇制のメリットとデメリットを考えたらメリットの方が多いだろうと思います。2000年続く王家を持っている国家というのは、それだけで十分に価値があり他国から尊敬されるもの。だから現実を考えれば天皇制は維持した方が良いだろうと思いますが、せめてもう少し天皇家の人たちに自由を与えても良いのではないかと考えているので、天皇が「生前退位」できる前例を作るなら、それは良いことではないかと思います。

 もちろん長い歴史の中で無理矢理譲位させられた天皇も数多くいます。時の為政者にとって都合の悪い「お上」は排除され、使いやすい幼帝を立ててきました。「生前退位」が認められれたら、今後もまた同じように天皇を政治利用される可能性もゼロではないでしょう。そもそも現憲法が天皇に自由を与えていないのも、そういう天皇の発言などを利用して自分たちに都合の良いように操ってきた政治家たちが歴史上たくさんいたせいです。

 だから天皇に対してある程度の縛りをかけるのは仕方ないこととは言え、彼らも人間なのですから(現人神だと考えている人がもしまだいるなら別ですが)、少しくらいは彼らの意志を尊重できるような形にできないものかと思うのです。今は全く自分の意志を口に出すことすらままならない立場なのですから。

 なかなか難しい問題だし、国民感情を考えるとデリケートな話だとはわかりますが、何とかもう少し「人間らしい」扱いをしてあげることはできないのかなぁと思います。どうせ憲法について議論するなら、上に奉る「逆差別」の改善を考えるのも良いなと思います。恐らく自民党草案とは逆方向の改憲になりますが。


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