恐れていたことが起きてしまいました。ウィンブルドン４回戦、チリッチ戦に登場した錦織が２セット目途中で棄権してしまいました。大会前から痛めていた脇腹の故障が原因のようです。３回戦を勝った時に表情が暗かったので「もしや」と心配はしていましたが、思っていた以上に悪化していたようです。

　錦織のテニス人生はずっと故障との戦いです。あの体格で世界のトップと渡り合っているのですから故障のリスクはわかっていることとは言え、やはり万全の体調で戦えないのは歯がゆいばかり。今大会でワウリンカを破って久しぶりに復活を見せたデルポトロもそうですが、才能があっても故障に泣いてしまう選手は少なからずいます。フェデラーらビッグ４がビッグ４たりえていたのも、彼らの長年にわたる故障の少なさ、頑健さによるところも大きかったと思います。

　苦手なウィンブルドンで４回戦敗退は残念ですがまあこんなものかという気もしないではありません。ただ錦織はこの後にリオ五輪と全米を控えています。こちらでは活躍を見せてほしいのですが、それまでに今回の故障が回復するかどうか。長引くと今年残りの試合もほとんどキャンセルすることになりかねないので、万全に治してから出てほしいと思う反面、４年に１回しかない五輪を全盛期の年齢で迎えられるリオは大チャンスでもありますから難しい判断になりそうです。