幹事クリタのコーカイ日誌2016

[ 前日翌日最新今月 ]

5月30日 ● 雨ニハマケタ、ニシコリ。

 全仏オープンテニス男子シングルス4回戦の錦織対ガスケ戦。錦織は第1セット4-2とリードし、さらに7ゲーム目40-40としたところで降雨で中断となりました。そして雨が上がって再開されたところで、そのゲームを奪われたのみならず、そこから連続で6ゲームを連取されてしまいました。2セット目も落とし、3セット目をようやく取り返したものの、最後までガスケに主導権を奪われたままセットカウント1-3で敗退。優勝さえ期待されていたのに、昨年のベスト8にすら届かない結果となってしまいました。

 直接的な敗因は雨でした。濡れたコートでボールは水を吸って重くなり、ラリーのスピードは遅くなってしまいました。速い展開で攻め込む攻撃的なテニスが身上の錦織としては、最悪のコンディションでした。いくら打っても決まりません。相手は粘りながらチャンスを待つガスケです。しかも地元の声援を一手に受ける好調なガスケです。錦織はより無理して決めにいきミスを連発します。ペースを握られてストレスをため込み疲れも倍加してしまいました。

 その疲れが間接的な敗因だったと思います。3回戦のベルダスコ戦でフルセットの戦いを強いられました。その影響が残っていたのだろうと思います。あの試合のベルダスコはかつての世界7位だった頃を彷彿とさせるような切れ味鋭いショットを連発していました。錦織が辛うじて勝ったのは称賛すべきことでしたが、かなり疲れが残ったことは想像に難くありません。さらに言えば1回戦でも雨で途中中断して2日がかりになってしまいました。これもより錦織の体力を奪ったと思います。

 もっと言えば、マドリードやローマの前哨戦が好調だったので、試合数が多くなり、その連戦の疲れも残っていたのではないかと思います。好調さの陰に隠れていた疲れが、本番のパリで影響を及ぼしたのではないでしょうか。錦織の課題は何より体力です。明らかにライバルたちより小柄で、それをスピードと運動量とセンスでカバーしています。疲れがそれらの武器を一気に鈍らせてしまいました。

 今回は錦織にとって不利な材料が揃ってしまいました。これはもう運がなかったと思うしかありません。運がなくても勝ち上がれるほどの実力はまだ錦織には備わっていないということです。恐らくジョコビッチならこれほど不利な状況でも何とかしてしまうことでしょう。それが世界1位との差なのだろうと思います。すぐに始まる芝の季節に早めに準備できることを幸運ととらえてウィンブルドンに期待したいと思います。


gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」