幹事クリタのコーカイ日誌2016

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4月15日 ● 日清カップヌードルCM中止について。

 録画してあったバラエティ番組を見ていたら、日清のカップヌードルのCMがありました。例の「OBAKA’s UNIVERSITY」シリーズの第一弾です。放送1週間で中止になってしまった悲劇のCMです。

 見ていて何が不快なのか、さっぱりわかりませんでした。矢口真理が自分の起こした不倫事件をネタにしてCMに登場していることが問題らしいですが、他人が矢口の扮装をして矢口を攻撃しているならともかく、本人が本人をネタにして何が悪いのでしょう?誰に迷惑をかけているわけでもありません。強いて言えば矢口の元ダンナが話を蒸し返されて不快だというのならわかりますが、中村もむしろトークのネタにしているのですから「おいしい」と思っていたかも知れません。

 不快だという視聴者は「不倫を擁護している」などと言うのかも知れませんが、まずCMでパロディのネタにしたからと言って不倫を擁護していることにはなりません。そんなことを言ったら全てのパロディは成立しません。パロディはむしろ対象を攻撃するものなのですから。しかもCMの内容では矢口は不倫したことを反省して「二兎を追うものは一兎も得ず」と言っているのですから、不倫を否定しているのです。

 このCMのテーマは「バカをやろう」というメッセージです。バカをやることによって人は反省するし、発見があるし、進歩するといこうとです。だからこれはスティーブ・ジョブズのパクリだろう、という批判なら真っ当な意見です。しかし矢口が出ているのが不倫の擁護だというのは、不倫も進歩するために必要なことだと曲解した的外れの批判であり、単なる言いがかりに過ぎません。日清食品はできたら毅然と対応してオンエアを続けてほしかったと思いますが、消費者をターゲットにする企業としては、過剰な炎上を食い止めるには中止もやむを得なかったのでしょう。このシリーズの続きを見たかった人間としては極めて残念です。

 広告代理店の視点から言えば、さすがに矢口の起用はまだ時期尚早というか、センシティブだったかなというのは感じます。もちろん鮮度が高いうちにネタにしないとインパクトがないということもあって、思い切ってネタにしてみたんだろうと思いますが、世の中の空気を読むのも広告クリエーターのセンスですから、理屈では通るからと言っても、結果がダメではダメということになります。折角大金を払ってあれだけのタレントを揃えたのですから、今後同じタレントを起用して違う表現にするのか、それともまったく違う企画にするのか、日清の戦略に注目です。


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