幹事クリタのコーカイ日誌2016

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3月7日 ● 錦織とマレーの大熱戦。

 イギリスで行われていたデ杯1回戦の3日目、1勝2敗と王手をかけられた日本は錦織が登場、対するイギリスは世界2位のマレー。このナンバー1対決で錦織が負ければそこで終わりですが、もし勝てば最後のナンバー2対決で日本がぐっと有利になるということで、まさに大一番となりました。

 試合は最初から接戦でした。ともに集中力を高めてきわどいラリー戦を繰り広げます。1セット目は5-6から錦織のサービスをマレーがブレイクして取りました。最後のゲームで少しだけマレーが気持ちで上回った感じでした。2セット目もずっと競り合い6-6でタイブレークに突入。ここで錦織がスタートでつまづきます。一気にマレーに4ポイントを連取されてしまいました。その後は頑張って追い上げたのですが、結局6-8でタイブレを取られて2セットダウンと苦しくなりました。

 ところが2セット取って少し気が緩んだのか、それとも敢えてペースを落としたのか、マレーの集中力が落ちました。そこを錦織が一気に突きます。3セット目を6-3、さらに4セット目も6-4と錦織が連取してセットカウントを2-2とイーブンに戻しました。さらにファイナルセットも最初のゲームをブレイクしたのは錦織。完全に錦織のペースです。ここまで集中力を高めてソリッドなテニスをする錦織はもう負けるわけがない、はずでした。

 ところが長年4強と呼ばれグランドスラムを2度制しているマレーは違いました。再びトップギアに入れてすぐに次のゲームをブレイクバック。後はマレーのペースになってしまいました。錦織も反撃を試みるもチャンスボールのボレーミスがあったりして集中力の差が出て結局3-6と押し切られてしまいました。

 内容は全く互角でした。勝負を分けたのはここぞでの「集中力」。紙一重の差ではありましたが、2セットをリードした時と最後のセットだけはマレーが上回っていましたし、逆に錦織は最後に集中力が切れてしまったようです。お互いにミスが許されない極限の緊張と駆け引きを駆使することを強いられていた試合です。さすがに世界のトップ選手と言えども5セット約5時間のロングマッチの中で常に集中力を高めておくのは難しいのでしょう。だからこそ、緩めたり高めたりと自在にギアの上げ下げを行えたマレーが勝利を引き寄せられたのだと思います。

 もちろん負けたとは言え錦織のテニスも本当に素晴らしかったです。テニスの内容では全くひけを取っていないだけに、後はメンタルのコントロールをどこまで高めていけるのかということが課題として残りました。この試合をきっかけにさらに上を目指していけるのではないかと期待しています。


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