幹事クリタのコーカイ日誌2016

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3月3日 ● トランプと大阪人気質。

 俗に「大阪お笑い百万票」と言われます。西川きよし、横山ノック、橋下徹らタレント候補が既成政党の候補を圧倒して当選したことを指しますが、これは「反体制・反エリート」という大阪人ならではの気質が色濃く出た結果だと思います。権力を嫌い権威を嗤う大阪の人たちは、気取ったエリート臭がプンプンする官僚出身者よりも、何をしでかすかわからないような親しみがあって勢いのあるタレントの方が「面白そう」ということで票を投じるのでしょう。

 アメリカにもこういう大阪的な気質の人が結構多いようです。いま米大統領選で旋風を巻き起こしている共和党候補のトランプにも同じようなことが起きているように感じます。当初は泡沫候補扱いでネタとして取り上げられていたトランプが、あれよあれよと勢いがついて、ついにスーパーチューズデーで圧勝し、共和党候補の本命になりました。トランプを支えている層も、きっとアンチ・エスタブリッシュメントからの支持なのではないかと思います。

 エリートでも何でもない、自分の実力だけで大富豪に成り上がったトランプのわかりやすいポピュリズムに共感するのは、今のアメリカの現状に強い不満を感じている人々であり、彼らはむちゃくちゃでも何でもいいからこの状況を強引にぶち壊してくれないかと期待しているのです。エリート知識層がいくらトランプを批判しても、その知識層のことを胡散臭く思っている共和党を支持している田舎のオッサンやオバサンには届きません。

 民主党候補でこれもスーパーチューズデーで完勝したヒラリー・クリントンとトランプは真逆と言っても良いほど対照的です。選挙としてはこの両者が対決する方がハッキリと結果がわかれるだろうから面白いと思います。ただもしそれでトランプが勝つようなことがあれば、アメリカだけではなく世界がどうなってしまうのか心配でなりません。なにせ大阪百万票の動向の影響を受けるのは大阪人だけですが、アメリカのトップは世界に大きな影響力があるだけにトランプがその座に就くことは世界的な危機になりかねません。アメリカ人にはくれぐれもアホな選択はしないで欲しいものです。


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