幹事クリタのコーカイ日誌2016

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1月29日 ● 三谷真田丸が乗ってきた。

 大河ドラマと朝ドラとブラタモリを楽しみに生きています。先日まで「亀田音楽専門学校」のシーズン3も楽しく見ていました。NHKさんにどっぷりです。若者ではなくなると、やはりNHKが味方になるのかも知れません。もう愛だの恋だの不倫だの卒論だのセンテンススプリングだのは要りません。欲しいのは知識と教養と文化とユーモアです。うん、年を取ったなと我ながら感じます。

 と言うことで、上記4番組について語りたいことはいろいろありますが、全部語り始めると、とてつもない長文になりますので、今日のところは「真田丸」の話にします。初回の感想で「三谷幸喜らしさが足りない」と書きましたが、その後の世間の評判を聞くと、僕とは逆に「三谷らしさが出過ぎている」という悪評が多いようでビックリしました。あの程度のおふざけで?三谷はもっと笑わせてくれる脚本家だぞと思いましたけどね。

 ただ初回の感想で書いたように、2回目、3回目と徐々に三谷らしさが発揮されてきて、僕としては期待通りです。視聴率は知りません。さらに評判が悪くなったかも知れませんが、僕の期待していた通りに三谷らしいコメディを展開しながら、これも三谷らしい歴史ファン向けの小ネタをガンガン放り込んできてくれて、歴史小説や大河ドラマが好きな人にはたまりません。

 この手法、どこかで見たぞと思ったら、クドカンドラマっぽいことに気づきました。宮藤官九郎の脚本は小ネタの嵐です。「木更津キャッツアイ」とか「マンハッタンラブストリー」とか、いや彼のどのドラマも全てわかる人にだけわかればいいという小ネタを連発しまくりです。さすがに「あまちゃん」では抑え気味でしたが、あれだって従来の朝ドラファンからしたら異色中の異色作品だったわけで、今回の「真田丸」も同じく三谷としては抑えていても大河としては異色作ということになりそうです。三谷はきっと同じ喜劇作家としてクドカンを意識しているでしょうし。

 さて、その三谷が主演の堺雅人よりもコメディ部分に起用しているのが草刈正雄と大泉洋です。大泉がコメディが上手いのはわかりきっていましたが、草刈の「間」がこれまた絶妙です。彼が若い頃は日本人離れしたルックスで、演技力よりも見た目で売れていたのに、年を重ねるとこんなにも味がある役者になるんだと驚いてしまいました。第3回までは少なくとも草刈正雄が完全に主役です。と言うか、だいたい真田一族を取り上げるなら昌幸が一番面白いでしょう。今回のドラマも幸隆の晩年、昌幸の若い頃から始めても良かったのにと思いました。

 まあ三谷幸喜の脚本はどうしても群像劇になってしまいがちですし、その方が面白いですから、このまま信繁だけではなく真田一族、さらには戦国時代の各武将たちをも含めた群像劇として進んでいくのはきっと楽しいでしょう。勝頼の描かれ方も新鮮でしたが、家康もなかなかここまで面白いです。これまでは家康と言えば英雄か狸オヤジばかりでしたが、きっとあんなチキンな家康の本来だったのではないかと思います。これから登場する信長、秀吉、三成らもどんな風に描かれるのか楽しみでなりません。


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