幹事クリタのコーカイ日誌2016

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1月24日 ● 琴奨菊の初優勝。

 初場所は琴奨菊の初優勝で幕を閉じました。前に書いたように日馬富士に勝った時点で単独トップというだけではなく、残る対戦相手を考えてもかなり優位になりました。危惧した通り豊ノ島にやられてしまいましたが、残る相手は不調の栃煌山と豪栄道だっただけに、ある意味危なげなく1敗を守っての堂々の優勝です。先代親方の琴桜同様に遅咲きとなりましたが、琴奨菊の場合は怪我でなかなか思うような相撲が取れなかったせいもあるので、体調さえきちんとしていれば優勝も不思議とは言えません。来場所も連続優勝して一気に横綱昇進とでもなれば、本当に琴桜の再来です。

 残念だったのは白鵬。特に稀勢の里戦の無気力相撲はいただけません。あまりにも白鵬を悪役扱いするので「空気を読んだ」とか「嫌気がさした」とかネットでは噂になっていますが、確かにメンタル的にちょっとやられてしまったのかなと思わせるような相撲ぶりでした。ただ最近の白鵬は場所の終盤になると失速したかのように、こういう「らしくない」相撲が増えます。さすがに長年協会の看板として土俵に立ち続けてきた疲れが出てきたのか、スタミナ不足なのかもと思います。

 ところで白鵬をヒール扱いにしてしまったのは「10年ぶりの日本人出身力士の優勝」という記録が絡んでいることが大きかったのですが、さすがにその扱い方がセンセーショナルに過ぎた嫌いがありました。以前から書いているように、日本人力士がこれだけ長きにわたって優勝できなかったのは「異常事態」とも言えることでしたから、それがようやくストップしたということは良かったと思います。ただ相撲ファンならかなり前から意識していたことで、今に始まった事態ではありませんでした。いきなり大げさにマスコミが取り扱うものですから、一気にナショナリズムに火がついたような騒ぎになってしまいました。

 大相撲は基本的に個人競技です。部屋別対抗でもありませんし、もちろん国別対抗でもありません。まずは「琴奨菊が初優勝」であり、次いで「これは10年ぶりの日本出身力士の優勝となる」ということですから、その順番を取り違えてはいけません。ちなみに「日本人」である旭天鵬の2012年夏場所の優勝についてはほぼ無視されているようですが、こちらもきちんとフォローしてほしいものです。


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