幹事クリタのコーカイ日誌2016

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1月10日 ● 『真田丸』初回の感想。

 最初に制作発表された2年前から期待していた今年のNHK大河ドラマ『真田丸』がついにスタートしました。一刻も早く見たくて、いつもなら録画してから見るのに、今日は地上波ですらなくBSでオンタイムで鑑賞。オープニングから期待感は高まったのですが、1時間後の感想は「肩に力が入り過ぎ」。これは三谷幸喜や堺雅人だけではなく、見ているこちら側もそうだったような気がしました。

 まず脚本から言えば三谷が「大河らしさ」を追い求め過ぎているような気がします。前回の三谷脚本の『新選組!』があまりにも「大河らしくない」と批判されたからでしょうか、まるで「これが大河らしいってことでしょ」みたいになっていて、三谷らしい軽やかさとかユーモアがありません。皆無ではないのですが、かなり抑えめになっていて、三谷ファンとしては物足りないのです。せっかく三谷が書くのですから、『新選組!』くらいの味付けがないと面白くありません。

 同じことは堺雅人にも大泉洋にも言えます。この2人の掛け合いとなれば、当然「時代劇ばなれ」した速射砲のごときユーモラスな掛け合いを期待したのですが、あくまでも大河ドラマの枠を守った演出であり演技でした。役者が悪いのではなく演出家のせいかも知れませんが、言われなければ三谷ドラマだとは気づかないほど全体に「大河らしい」のです。そしてこの場合はそれは決して誉め言葉ではありません。全体のテンポが重い上に、三谷らしさや堺らしさ、大泉らしさが消えてしまっているのです。

 単純に「三谷幸喜」ブランドを取り払って見れば、これはこれで良いのかもとは思います。そこが見る側が三谷ドラマだからと期待してハードルを上げ過ぎてしまった、こちらも肩に力が入り過ぎたかもと感じた部分です。ただしそれにしても今回は可もなく不可もない「普通の大河」のレベルです。『篤姫』とか『龍馬伝』、『平清盛』、『軍師官兵衛』とかの方が、「これまでの大河を超えてやる」という制作側の意気込みを感じました。それに比べて『真田丸』は初回を見る限り「球を置きにいってる」感が強いです。独創性とか革新性とか裏切り、型破りと言う言葉がありません。

 もちろんまだ初回を見た限りです。もしかしたら、こういう様子見の立ち上がりから徐々にペースアップしていく計算を三谷はしているのかも知れません。そう期待して次回以降を見たいと思います。


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