サッカーＷ杯アジア２次予選、グループ首位を走るシリアとの一戦。大事な試合でした。アウェーとは言っても今のシリアでの開催は無理なのでオマーンで試合は行われました。これは日本にとって助かりました。シリアと同じ中東とは言え、日本のサポーターの方が多くどちらかというとホームのような雰囲気。ピッチに慣れるのは時間がかかりましたが、状況的には決して厳しいとは言えません。

　その割に前半は重たい展開でした。お互いにミスが多く締まらない内容。日本は香川を筆頭に消えてしまっている選手が目立ち、ディフェンスからのビルドアップができません。長友が１人で頑張っていました。こんなことでこの先のより厳しい戦いに勝ちあがっていけるのかと不安を感じたまま点が入らずに前半は終了してしまいました。

　しかし後半に入ると徐々に日本が形を作るようになりました。本田、香川、岡崎が連動するようになり、そして岡崎がうまくファウルを貰って本田がそのＰＫを決めました。これで試合が動きます。それまでは引き分け狙いと思える消極的なサッカーをしていたシリアが本気で攻めてきました。その分、日本の動きもよくなりボールが動くようになりました。そして香川の突破から岡崎のゴールで２点目。見事なゴールで試合はほぼ決まりました。最後に本田からのパスを宇佐美が決めて３対０で日本の完勝。これで最終予選進出へ大きく踏み出すことができました。

　今日の後半のようなサッカーができれば最終予選でも勝ってロシアへの切符を掴むことはさほど難しくはないと思います。ただアジアでは勝てても果たして本番で決勝トーナメントに勝ち進めるかというと、これはまだまだ疑問符がたくさんつきそうです。特に不安なのはディフェンス陣とボランチ。前半も全くビルドアップできなかったように、攻撃の起点となっていなかったし、守ってもなんだかとても頼りなげに感じられます。シリアがフィニッシュの精度が低かったせいで助かりましたが、あれがヨーロッパや南米の強豪国相手だったら何点取られていたことかと思います。

　アジア相手に戦ってばかりではレベルアップできないので、もっとヨーロッパ遠征とかして強豪国との試合を組んで経験を積まないといくことが必要そうです。