幹事クリタのコーカイ日誌2015

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8月14日 ● 思いを言葉に変えること。

 戦後70年の安倍談話について何か書こうかと思ったのですが、ネットですでに散々いろいろなことが書かれていて、それを読んだだけでお腹いっぱいなので、改めて書くこともないかなと。ただ、談話を書いたライターの苦労が滲み出ている感はすごくあって、あちらにもこちらにも全方位的に気を遣い、なるべく突っ込まれないように、後々に禍根を残さないように、でも言いたいことはちゃんと盛り込みたい、という無理難題を何とかクリアしたぞ、という達成感を行間に感じてしまいました。

 曲がりなりにも文章を書くことを仕事をしていた身としては、この談話のライターには本当にお疲れ様でしたと言いたい気持ちです。僕もかつて仕事で偉い人のコメントを代筆したことが何回もあります。それは自治体の長であったり企業のトップであったりするのですが、社内に適当な人がいなかったりすると、外部の僕のようなコピーライターにお鉢が回ってくることがありました。

 その時に一番困るのは「なんか適当に書いて」というオーダーで、言いたいことが何かわからないと書くほうとしてはかなり難渋します。せめて箇条書きで良いから言いたいことをまとめて欲しいと頼むのですが、結局最初の叩き台を書くのが素人には一番難しいのです。それができれば、後はそこから修正をしていけば良いのですが、まずゼロからイチを作り出すところを誰かがやらなくてはならないので、そこを結局やらされたことが何度もありました。

 逆に言えば、形が整ったきちんとした文章じゃなくても、まず言語化さえできれば良いのです。文章を推敲していくことの方がよほど簡単なので、まずはモヤモヤとした思いや意識を言葉という形にすることが肝心。そういう訓練を若いうちからしておくと、後々仕事のみならず、様々なところで大いに役立つと思います。特に女の子を口説く時とか、大脳をフル回転させて言葉を紡ぎ出さなければなりませんから。


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