幹事クリタのコーカイ日誌2015

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7月15日 ● 「平和」よりも「金」。

 予定通り(?)与党が集団的自衛権行使を容認する安保法案を特別委員会で強行採決しました。これで後は衆院本会議で通せば、参院で仮に通らなくても60日ルールで可決できるわけで、完全に安倍首相の思惑通りに事が運んでいます。

 集団的自衛権について、僕は現在の個別的自衛権だけでも日本の「専守防衛」はできるのではないかと考えていますが、まあそこはまだ議論を尽くしていくことは良いと思います。問題はやはり明らかに違憲な法案を憲法学者の解釈や国民の大多数の意見を無視して無理やり通してしまおうとしていることでしょう。これは単なる「手続き論」の話ではなく、そもそものルールの話であり、これを許してしまうと多数派を握った与党は何でも好き勝手できてしまうということになってしまいます。

 安倍首相だって本当ならば改憲してから新たな法案を通したかっただろうと思います。しかし現在の状況で改憲は果てしなく遠い道のりであり、そんな悠長なことをしていたらアメリカに怒られてしまうから今回のような強引で無理筋なやり方をしているのだろうと推察されます。本音を言えば「違憲なんて重々承知だが、アメリカがうるさいから仕方ないんだ」と言うことでしょう。

 日本の戦後の平和が憲法9条によって守られているわけではなく、アメリカとの軍事同盟によって守られていることは明らかですし、その「同盟」というのも一方的に「守ってもらっている」のであって、だからこそ領土内に米軍基地があれだけ多く置かれているのです。日本は戦後70年経っても相変わらずアメリカの支配下にある属国状態ですから、アメリカ様の意向には逆らえません。

 自民党の本来の党の目標はこのアメリカ従属からの独立であり、そのための自主憲法制定であり、自前の軍事力を持つことだったはずです。それがいつの間にか「アメリカのポチ」になることが目標になってしまっているのは70年という属国の時間が長すぎたからではないかと思います。アメリカのご機嫌を取りながらも、少しずつ独立国としての力を取り戻してきたのに、ご機嫌取りをやり過ぎて手段と目的が入れ替わってしまったようです。

 恐らくこのまま安保法案は成立することでしょう。いくらデモをしたってひっくり返りはしないです。本来は「反戦」政党である公明党が裏切れば別ですが、創価学会が連立離脱までは考えていない以上、ブレーキ役にならないまま突き進んでいくだろうと思います。その時に安倍内閣の支持率がどれだけあるかです。支持率が下がって次の選挙が危ういとなれば今は「死んだふり」をしている「反安倍」勢力が一気に自民党内で頭をもたげてくることでしょうから、安保法案を何らかの形で骨抜きにすることもあり得ないわけではないですが、そうじゃなければこれはこのままです。

 ただ今の支持率というのは安保法案よりも景気や株価で左右されるので、そこがどうかなぁとは思います。結局国民が「理想」よりも「平和」よりも「金」のことばかり考えているから安倍政権がこれだけ力を持ってしまったのです。そういう世の中であることを踏まえた上で考えていくしかありません。


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