幹事クリタのコーカイ日誌2015

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6月10日 ● AKB48のスピーチから考えたこと。

 先日のAKB48の総選挙で僕が関心をもっていたのは、その順位よりも各メンバーのスピーチでした。彼女たちは組織の中での自分の役割と、今後組織がどこを目指してどう進んでいくのか、その時に自分がどういう役割を果たしていくのかを極めて自覚的に語っていました。特に長くAKB48に在籍している1位から4位のメンバー、指原、柏木、渡辺、高橋のスピーチはそれぞれに「わかっているな」と思わされました。

 その全てを分析していくのはあまりにも長くなり過ぎるのでやめますが、渡辺は本来の「エース」が自分であることをわかっているし、柏木はエースの「カウンター」であり、指原は「ピエロ」としての自分の立場を明確に語り、この3人が三位一体となってグループを支えていることを理解していました。順位は1位から3位と分かれましたが、実際には誰が1位で誰が3位でも関係性や役割は変わらないことを彼女たちは自覚していると思います。

 これは10年というAKB48の歴史から経験で彼女たちは掴んだのだろうと思います。実は前田大島時代も今回4位の高橋が加わることでピラミッドを形成していました。前田という「センター」、大島という「エース」、そして高橋という「リーダー」の三権分立が出来ていた時代がAKB48の黄金時代でした。前田と大島がいなくなり、新たなピラミッドを渡辺・柏木・指原で確立したことを確認できたからこそ高橋は卒業ができるのだと思います。

 その高橋はスピーチの中で、彼女は「自分よりもグループのことを考えてしまう」という話をしていました。これはリーダー、特に創設時からのリーダーである高橋ならではの気持ちだろうと思います。オーナー企業のオーナーからも似たような話を聞いたことがあります。彼らにとって組織は単なる組織ではなく自分の分身、もしくは自分そのものなのです。組織の痛みは自分の痛みであり、組織の敵は自分の敵です。自分と組織が同一化してしまいます。だからこそオーナーは老害と言われてもなかなか引退できないし、高橋もなかなか卒業できないのでしょう。

 実は僕もテニスサークルの創設者でありオーナーです。30年も活動していればサークルは自分の分身であり一部だと感じています。だから他人のサークルへの気持ちをそのまま自分への気持ちと同一視してしまいがちです。サークルに熱心に通ってくれる協力的な人は僕の強い味方ですが、逆にサークルから去っていく人は、僕からも離れていく人だと感じます。サークルに来てくれる間は仲良くしているのに、来なくなったら僕も冷淡に接してしまいます。高橋のスピーチについつい自分の気持ちを重ね合わせて聞いてしまいました。これはそういう立場になったことがない人にはわかり辛い心境だろうと思います。


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