幹事クリタのコーカイ日誌2015

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5月19日 ● 幻の大阪都構想。

 大阪都構想についての住民投票は反対票が賛成票を約1万票上回って決着しましたが、途中の開票速報が実にスリリングでした。最初に票が開いたのは大阪都心地域で、このあたりは賛成票が多いところ。ところが、大阪港湾部の票が開きはじめると一気に反対票が伸びてきて、大阪東部、そして南部も反対票が多く、いよいよ僅差になってきました。

 NHKはまだ賛成票が多い段階で反対が多数と速報を出します。確かにこのまま南部の票が開けばそうなるんだろうなと思って見ていたら、反対票がついにひっくり返しました。これで決着かぁと思っていたら、なんとなんと、開票率98%となったところで賛成票がまた逆転したのです。テレビでは大阪自民党府連が勝利会見しているのに、テレビの中の票数は賛成多数というシュールな光景。最終的には反対票が上回ったものの、NHKスタッフもちょっと心臓に悪かったのではないでしょうか。

 今回の票数は賛成、反対、そして棄権がそれぞれ見事にに3分の1ずつわかれました。そして棄権した大半の人が若い世代だったことを考えれば、もしかしたら大阪市民の総意は都構想賛成だったのではないかと思います。世代別に見ても若い世代ほど賛成なのに、投票率が高い高齢者世代の影響が大きく出ての反対多数だったのですから。

 僕は今の地方自治行政は何らかの変革が必要だと思います。明らかに地方も都会も行き詰っています。そのやり方が「大阪都構想」で良いのかと言われると、総論では賛成ですが各論ではいろいろと疑問はあります。それでも大阪が地方自治を変えていくモデルケースになるのは悪くないですし、大阪はそれだけ問題が顕在化していると思います。今回の住民投票でそのチャンスが失われたのは残念です。

 名古屋でも河村市長が「中京都」なるプランをぶち上げていますが、残念ながらそれを支持している人は多くありませんし、実現可能性も低いです。今回の大阪都構想がダメになったことで、ますます河村市長も求心力を失うことでしょう。日本の政治改革は外圧以外ではなかなか難しいです。それをバランスが取れていると見るべきなのか、ダイナミズムに欠けると見るべきなのかと言えば、恐らく後者でしょうね。

 とにかく、投票に行かないと始まらないよ、ということだけは教訓として残った住民投票だったのではないかと思います。


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