男子テニスのマスターズ1000大会のひとつ「マドリッドオープン」が開催されています。全仏までのクレーコートシーズンで、このマドリッドと次のローマは前哨戦として各選手の実力や調子をみる絶好の機会です。昨年はナダルと錦織が決勝を戦い、ギリギリまで錦織がナダルを押していたのですが、故障で棄権負け。それだけに今年は錦織にはぜひ優勝して欲しいし、そろそろ一度も勝ったことがないナダルに勝ってほしいとも思います。

　そして今大会は錦織にとってマスターズ1000初制覇へ絶好のチャンスとなっています。ビッグトーナメントでは今年無敵のジョコビッチは欠場、フェデラーは２回戦で姿を消してしまい、マレーはクレーが苦手。残るナダルも本調子ではないので、錦織と対戦する決勝まで勝ち上がってこられるかどうかも不透明な状況です。天運は錦織にあります。

　ただクレーでの戦いはいつもハードです。体力的に強くなった錦織ですが、それでもクレーコート巧者を相手に毎試合激闘を繰り広げていたら体は悲鳴をあげていくことでしょう。実際、初戦となった２回戦でダビド・ゴフィン相手にフルセットのタフな試合をしました。辛うじて勝ったものの、最初から体力を削られてしまいました。

　続く３回戦も先日のバルセロナで苦しめられたロベルト・バウティスタアグートと難敵が続きます。錦織なら多分勝てるとは思いますが、この調子で厳しい試合が続き疲労が蓄積したところで準々決勝フェレール、準決勝マレー、そして決勝でナダルとなると、果たして体力が本当にもつかどうかが気になります。

　もちろん、そんなことを言っていては５セットマッチとなる全仏オープンでは戦えません。乗り越えていってほしいところです。