仕事を何のためにやっているのか、という問いに答えるのは意外と昔から難しいものです。「お金のため」「家族のため」という人は多いでしょうが、「好きだから」とか「他にできることがない」とか「暇つぶし」という人もいるでしょう。「何となく」とか「惰性で」という人も案外多いかも。僕は青臭いようですが、「自己実現」と「社会貢献」だと長年考えてきました。仕事をすることで自分のやりたいことを成し遂げる、それがクライアントに喜ばれて社会への貢献にも繋がるというのが理想だなと若い頃から思っています。

　もちろんこれは理想論であって、いつもそんなうまい具合にいくわけではありません。と言うか、うまくいかずにボロボロになってしまうことの方が多いのですが、たまにそういう好循環の仕事ができることがある、その可能性があるから頑張れるというところでした。そんな実感や手応えを得られることもなく、ただ辛い思いをしていたり、辛くはなくても単なる作業として仕事をこなしているだけという人も多いでしょう。最低限、納得できるだけのお金が得られたらいいのですが、実際には大抵の人は報酬にも不満を抱いていると思いますし。

　僕もこれまではずっと楽しく仕事ができてきましたが、これから管理部門に異動することで、そのあたりがかなり曖昧になってしまいます。現状、自分のやりたいことがそこにあるわけではないですし、社内組織のために働くので、これまでのように商品やサービスが売れてクライアントに喜ばれたりするわけでもありません。給料は下がるし、制約は多くなるし、ホントどうしようかなという感じです。

　まだ新しい職場に座ってさえいないので、想像しているだけではわからないことも多いのですが、「何のために仕事をするのか」という原点に立ち返って自分の仕事観を見直さないと、これからやっていけないかなと思っています。真面目か、と突っ込まれそうですが、たまには真面目です。