幹事クリタのコーカイ日誌2015

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3月7日 ● プロならではのアドバイス。

 今日はサークルで山本麻友美プロのレッスン会。希望したメンバーが個別に自分の課題をプロに相談してアドバイスをしてもらいました。そして、いつものごとくプロの指摘と解決方法のヒントが素晴らしくポイントを突いていて、横で聞いていても「なるほど」と深く頷くことばかりでした。

 ここからはテニスをしない人にはわかりにくい話になるかも知れません。Sちゃんはチャンスボレーが決められない、という課題がありました。僕たちならそれはしっかり叩けばいいじゃん、と安易に言ってしまうのですが、それができないから課題なわけで、何の解決にもなっていません。プロのアドバイスは、彼女はボレーのときに軸足を引く癖があると言うのです。多分性格的な問題かも知れませんが、つい気持ちも体も下がってしまうのでしょう。そのために壁を作れないんだそうです。だからボレーの時には軸足を少しでも良いから前に出す癖をつけるように意識すれば、無理にラケットを振らなくてもきちんと強いボールがいくようになるというのです。

 確かにその通りの話なんですが、まずその前に軸足を引く癖があるという指摘を少し見ただけでできる観察眼に感心しました。僕も長年Sちゃんとテニスをしていますが、プロに言われて初めて「ああ、そう言えばそうだ、いつもそうしてるな」と気づきました。目の中には入っていても、それを意識して取り出せていなかったのです。見ていても意識できなければ見ていないのと同じです。

 Aちゃんはコーチの経験もある上級者ですが、バックハンドストロークがダメだと言います。プロと少しラリーしているのを見ていましたが、さすがに上級者だけに十分に打てているように思えたのですが、言われたのは前の足をクローズドにステップしているから窮屈になっているということでした。Aちゃんは少しでも肩を入れて捻ろうとしているんだと言いましたが、プロによればそれは体が横を向いているだけで捻っているわけではないという指摘でした。むしろそれでは捻りを使えていないので、もっと後ろの軸足にしっかり体重を乗せて、ステップを前に踏み込んでいく方が楽に捻りを使って打てるというのです。これも至極納得の話なんですが、僕たちのレベルで見ればしっかり打てているように見えていたのです。さすがプロはもっと上から見ているのでわかるんだと感心しました。

 Kくんは前回もプロにバックハンドを教わったのですが、その時の悪い癖があまり治っていませんでした。Aちゃんと同じく体が横を向いてしまい窮屈に打っているのです。前回はもっと打ちたい方向に足をステップするように言われたのですが、どうしてもクローズドにステップしてしまい当たりも悪いままです。そこでプロは足ではなく手を直す方向に変えました。左手でラケットのスロートを持って肘から引いて軽くサーキュラーするようにとアドバイスしたのです。これによって右手の力が抜けるのでインパクトだけに力を込めるようになりましたし、力みが取れたので窮屈さもなくなりました。ラケットも下から上に出るようになって当たりも安定しました。同じ課題でも解決策は人によって違うのです。本人が感覚的に掴みやすいアドバイスをできるプロの引き出しの多さはすごいです。

 1人10分程度の短いレッスンですが、解決のためのヒントが得られれば後は本人が意識して改善していけばいいのです。ただ長年の癖がついてしまって凝り固まったベテランに、きちんと改善の手引きを示すことができるコーチは、実はなかなかいません。SちゃんもKくんもずっとスクールに通っていますし、Aちゃんにいたっては自分もコーチをやっていたのに、それでも解決策が得られなかったことを、プロならすぐに提示できるのですから本当に大したものだと感心しました。

 そして今日で山本プロとのレッスン会も満5年になりました。ちょうど5年前の2010年3月7日が第1回でした。最初は5年も続くとは思っていませんでしたが、6年目以降もこの調子でいろいろご指導いただきたいと願っています。


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