幹事クリタのコーカイ日誌2015

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2月19日 ● あと何年。

 昔々、大先輩が「お前たち若い奴らは会社に入って何年目と数えるだろうが、俺たち50代はあと何年って数えるんだよ」という話をしてくれたのを未だに覚えています。恐らく入社してまだ5〜6年目くらいじゃなかったかと思いますが、いつまでもハッキリ覚えているのはそれだけ印象的だったのでしょう。そんなのまだ30年くらい先の話じゃんと思いながらも、いつかそんな時が来るのかなぁとぼんやり想像したものでした。

 それから20数年経って、僕も54歳。残り6年で定年です。すでに何年目かというのはとっくの昔にあやふやになっています。毎回入社年から数えないと思い出せません。当然、僕の周りの同世代も同じ状況で、みんな「あと何年」という話になりますし、中には早期に退職する人もいたりして、そういう人はいきなりカウントダウンもなく「ゼロ」になるわけです。

 仕事をバリバリとやっていた時期には、リタイヤするということに全然実感が沸きません。それは会社員としての「死」のようなものだと思っていました。人生もいつか終わります。それは誰もが知っているのですが、若いうちは自分が死ぬことに全く実感が伴いません。しかし、親しい人が一人、二人と亡くなっていくうちに、徐々に死ぬことは遠い話ではなく、実は身近にあることなんだと思うようになります。

 リタイヤするのも同じで、最近になっていよいよそれは具体性を帯びたリアルな話になってきました。そして、そう考える時にはもうこの先の会社生活で自分が仕事において何を達成できるか、どういう成長を遂げたいかということではなく、引き際をどうするか、それまでどうやって過ごすかを考えているのです。このあたりも死を目前にした人と似ているのかも知れません。

 大先輩が言った「あと何年」というのは、単に残り年数を数えているのではなく、そういうことをいろいろ考えてるんだよ、という意味だったのだろうと思います。ただ死との違いは、死んだ後にあるかどうかわからない来世とか天国ではなく、リタイヤ後の生活がハッキリと具体的にあるということです。以前はまだ先のことだしと悠長に構えていましたが、そろそろきちんと考えていかないとなりません。本当にそういう年齢になってきたなと改めて感じています。


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