幹事クリタのコーカイ日誌2015

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2月16日 ● 錦織メンフィス3連覇。

 錦織圭が「メンフィス・オープン」で優勝しました。この大会では初めての3連覇。第1シードで臨んだ大会だけに優勝が当然求められたわけですが、それをきちんと果たしたところに錦織の成長がうかがえます。特に今大会では調子が上がらず初戦からずっと苦しい展開の試合を繰り返していただけに、それでも結果を出したところが「強くなったな」と思わせました。錦織とて人間ですからダメな時もあります。そこであっさり負けるか、苦しみながらも勝つかがトップランクにいられるかどうかの分かれ道になるからです。

 昨年優勝した大会で連覇を果たすということは、昨年稼いだポイントを守ったということです。テニスのランキングは1年間の集積。昨年の同じ時期の大会の結果が消えて、今年の結果が加わります。メンフィスは250という優勝しても250ポイントしか貰えないツアーの中では小さな大会ですから、5位にいるような選手が出るなら優勝してようやく帳尻が合います。これが500の大会なら準優勝でも300ポイント、マスターズと言われる1000の大会ならベスト4でも360ポイント稼げます。

 もっともマスターズはグランドスラムと同レベルの選手が揃いますから、それでいてグランドスラムの半分のポイントしか貰えないので、やはり一番ポイントを稼げるのはグランドスラムということになります。選手たちがグランドスラムに照準を合わせて調子を整えてくるのは、名誉や賞金の問題だけではないのです。

 今年に入って錦織は初戦のブリスベン国際(250)でベスト4で90ポイント(昨年もベスト4)、全豪のベスト8で360ポイント(昨年は4回戦で180ポイント)、メンフィス優勝で250ポイント(昨年も優勝)ということで、全豪で1つ上にいった分だけポイントを上乗せしています。順調といっていいでしょう。今後は昨年2回戦で途中棄権負け(20ポイント)したデルレイビーチ(250)をやめて、アカプルコ(500)に出るようです。ここで勝ち上がれば大きく昨年を上回るポイントを稼ぐチャンスです。

 得意のアメリカでのハードコートシーズンにどこまで昨年を上回るポイントを稼げるかが今年のひとつの焦点。3月のインディアンウェルズとマイアミという2週連続のマスターズ大会で昨年は3回戦(45ポイント)、ベスト4(360ポイント)でした。これを上回ることができると楽になります。と言うのも、その後のクレーシーズンでバルセロナ(500)優勝(500ポイント)、マドリード(1000)準優勝(600ポイント)と昨年は荒稼ぎしているので、そのポイントを守らなければならないので今春は大変だからです。

 ただ昨年はマドリードで故障して、その後のローマ(1000)を欠場、全仏でも1回戦負け(10ポイント)という結果だったので、ここで再び昨年を大きく上回るチャンスがきます。このあたりまで順調ならば、ウィンブルドンの頃にはもしかしたら4位に入っているかも知れません。そして全米の前の8月のモントリオールとシンシナティの2つのマスターズを昨年は欠場しているので、最後の荒稼ぎチャンスがやってきます。昨年稼いだ全米準優勝の1200ポイントが消える前に、どこまでポイントを積み上げておけるかが今年の錦織の課題です。

 年間を通じて怪我をなるべくしないように体調を整えていけば、いまの錦織の力なら自ずとトップ3あたりまでは見えてくると思います。安定して3〜4位をキープできるようになれば、1位とグランドスラム優勝の2つの夢に大きく近づけることでしょう。とにかく怪我だけはしないで、シーズンを1年通してきちんとプレーしてほしいと切に願います。


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