幹事クリタのコーカイ日誌2015

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2月9日 ● 見栄を張っていた時代。

 最近の若者はデートで割り勘が当たり前、ということはもうすっかりオジサンたちにも知られている事実だと思います。僕たちの世代は女性に払わせるなんてあり得ないというのが常識でした。それは昔の男性は金を持っていたからだろうと若者たちは思うかも知れませんが、そうではなくて「見栄」を張っていたのです。今も昔も若い男は大抵貧乏でしたが、お金がなかったら借金してでもデート代を払っていたのです。

 と言うことを考えていて、もしかしたら今の若者は「見栄を張る」という行為自体が死語になったのかもと思いました。車を買わなくなったのも見栄を張る必要がないからかも知れません。昔の若い男性はもちろん今より車好きも多かったと思いますが、なにより見栄を張るために少しでも高い車、カッコいい車を買っていたのです。車はもっとも見栄を張りやすいジャンルでしたから。

 ファッションもそうです。純粋なファッション好きもいないわけではありませんが、大半は見栄のためにブランドの服を買っていました。時計しかり、バッグしかり。就職先を選ぶ時だって見栄の張れる会社が一番人気でしたし、住む場所もそうでした。中身よりもレッテル重視。考えてみれば底の浅い時代でしたが、ようやく日本人もそういうところまで生活水準が上がってきたという時代背景もあったのです。僕たちの親世代は食べるだけで精一杯だったのですから。

 当時の世相を反映していた本が「見栄講座 ミーハーのための戦略と展開」。ホイチョイ・プロダクションが1983年に出版した彼らの処女作です。とにかく女の子にモテるためのさまざまな見栄の張り方のノウハウ本という体裁をとりながら、その実、そうした底の浅い人たちを小バカにした内容でした。ただ時代を先取りしてしまっために、その数年後にやってくるバブル時代のテキストになってしまった側面もあり、ホイチョイ=バブルというイメージがついてしまいました。

 もしまた底抜けに景気の良い時代がやってくるようなことがあったら、その時にはまた見栄を張りたいおバカな若者が増えるのでしょうか?それとも今の賢い若者の時代が続くのでしょうか?ホイチョイがまた新たな時代の「見栄講座」を発表しそうですが、ベストセラーになるのかどうかも楽しみです。


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