幹事クリタのコーカイ日誌2015

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2月1日 ● ジョコビッチの年間グランドスラム挑戦。

 全豪オープンは終わってみれば男女ともに第一人者のジョコビッチとセレナが危なげなく優勝をしました。ともに全豪を得意としている選手ですし、現在の世界ナンバー1ですし、経験も豊富で死角はなかったわけです。圧倒的な力を見せつけたセレナはもちろんですが、ジョコビッチも決勝戦での試合中の右手指の怪我や足の不調がありながらマレーを最後は全く寄せ付けなかったのですから、さすがと言うしかありません。もっともあれで勝てないマレーにも問題がある気はしますが。

 さて、全豪を勝つということは年間グランドスラムの挑戦権を得たということでもあります。長いテニスの歴史でシングルスの年間グランドスラムを達成したのは男子2人、女子3人。特に男子は難易度が高く1938年のドン・バッジと1962年・1969年の2度達成したロッド・レーバーだけ。オープン化後では1969年のレーバーただ1人です。

 かつてコナーズやフェデラーが惜しいところまで行きながら達成し得なかった年間グランドスラム。彼ら以外にもレンドル、サンプラス、ナダルら多くのチャンピオンたちが挑んできましたが、いつも高い壁に跳ね返されてきました。男子は選手層が厚く、ライバルたちがひしめいているので、チャンピオンと言えども易々と勝てるようなものではないからです。

 しかし今年のジョコビッチはチャンスです。それはこれまでと状況が変わってきているからです。最大の難関はもちろん全仏のナダルですが、今のナダルの体調では5月までに回復できるかどうか未知数。万全のナダルでさえ追い込めるだけのポテンシャルがあるジョコビッチですから、もし手負いのナダル相手ならジョコビッチに十分勝機があります。

 また芝のウィンブルドンではフェデラーとマレーが強敵ですが、さすがのフェデラーも年齢的に衰えが隠せませんし、マレーは相変わらず勝負弱く、今のジョコビッチなら有利に試合を運べるでしょう。そして錦織やラオニッチら追い上げを図る若手プレーヤーはまだ経験値が浅く、本格的にジョコビッチの座を脅かすには若干時間がかかりそうです。つまり状況的に今年は男子テニス界の「狭間」の年であり、それゆえにジョコビッチにとってはチャンスの1年になりそうなのです。

 もちろん、そうは言っても困難なチャレンジには違いありません。ナダルが復調することも、フェデラーが立ちふさがることも、錦織やラオニッチがさらに一段レベルを上げることも十分に考えられます。ただ達成できれば、フェデラーとナダルという2人のレジェンドの陰に隠れてきた「第3の男」が一足飛びに伝説的プレーヤーの仲間入りを果たせることでしょう。まずは次の全仏です。どうなるか今から楽しみです。


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