幹事クリタのコーカイ日誌2015

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1月22日 ● 目には目を、では解決しない。

 日本人2人がイスラム国に拉致されて、イスラム国から日本政府が身代金2億ドルを要求されています。72時間という時間の中で、恐らく政府は水面下でいろいろ交渉をしていると思いますが、果たしてどういう展開になるのか目が離せない様相を呈しています。もちろん無事に2人が解放されることが一番なのですが、そのために法外な身代金は払えないだろうし、仮に払っても2人が生きているという保障はどこにもありません。

 テロ組織からの脅迫に屈して身代金を払えば、その金は彼らの活動資金になってますますテロが横行するでしょうし、日本人は金になると思われて今後標的になる可能性も高くなります。かといって拒否して2人が殺害される動画を世界に配信されたら、それはそれで政府は日本人の命を守らなかったという反発が高まることでしょう。いずれにしても茨の道です。

 つくづくこうしたテロ行為は許されるものではないと痛感します。フランスの新聞社銃撃事件もそうですが、いくらひどい侮辱的な表現をされたとしても、暴力で報復することは現代の世の中では「絶対悪」です。「手を出したほうが負け」なのです。ただ子どもの喧嘩ならそうした裁きを大人がすることもできますが、国単位となると話は簡単ではありません。

 かつて「世界の警察」を自負していたアメリカにすでにそれだけの力も意志もなく、イスラム国を簡単に制裁できるわけでもありません。本当は中国がもっと国際正義に積極的に関与してほしいところですが、国内問題で手一杯でしょうし、そもそも中国にそれだけの正義感があるかどうかも疑わしいところです。

 アメリカがイスラム国を空爆したところで実効がどこまであるかも疑問な上に、また報復の輪廻が繰り返されるだけ。ますますイスラムとの対立が酷くなることでしょう。「目には目を」では、どんどん憎しみが広がる一方です。つくづく「詰んでるなぁ」と慨嘆するばかりですが、果たして良い解があるのかどうか。最低限、今後日本人がテロを受ける可能性が高くなるような結末にだけはなって欲しくないですが。


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