幹事クリタのコーカイ日誌2014

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11月14日 ● テニス史上最高レベルの戦いが始まる。

  錦織がツアーファイナルズで準決勝進出を決めました。多分マレーに勝った初戦の結果で恐らく大丈夫だろうとは思っていましたが、突然のラオニッチに棄権により対戦相手がフェレールに変わったので「なにが起こるかわからない」という可能性が少し高まりました。ラオニッチでもフェレールでも錦織にとって相性が良い相手ではありますが、きちんと対策を練ったラオニッチの方が戦いやすいのは確か。特にこの大会でのラオニッチは最大の武器のサービスの確率が悪かったので、翼をもがれたようなものでしたから。

 対してフェレールはファイターであることが一番の武器です。錦織と比べてテニスの質は劣りますが、それを補う体力とメンタルがあります。それがファーストセットでは如実に出て、錦織がセットを落としてしまいました。しかし、2セット目からは錦織のサービスが良くなり、それに伴って徐々にフェレールを押しこめるようになってきました。第3セットの錦織は神がかっていました。途中でフェレールがラケットを叩き折るシーンがありましたが、あんなテニスをされたら腹立たしいし苛立つことでしょう。まるで錦織に遊ばれているような感じでしたから。

 錦織が見事な逆転勝利を収め、このテニスができるならこの先も期待できるかなと思いました。しかし、その後に登場したフェデラーは「神がかっている」を超えて「神」そのものでした。マレーを相手に立ち上がりから11ゲーム連取。6-0、5-0になったところで1ゲームをマレーに譲りましたが、これはテニス界独特の礼儀によるもので、実際には12ゲーム連取も十分可能だったと思います。相手が100位くらいの選手ならともかく、あのマレーです。錦織と初戦で紙一重の試合を、ラオニッチに完勝したマレーが、地元でこんな目に遭うとは悲劇としか言いようがありません。それほどフェデラーの今大会の強さは際立っています。

 もちろんA組のジョコビッチも完璧なテニスを続けています。錦織の準決勝の相手はほぼ間違いなくジョコビッチですし、決勝はフェデラーとの再戦になることでしょう。この2人を相手に錦織が勝つには、フェレール相手にゾーンに入っていた3セット目の状態を続けるしかありません。かつてないほど高いレベルの「神」による頂上決戦です。テニス史上最高レベルの戦いが錦織を待っています。


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