古い付き合いの友人と会うと「変わってないねぇ」と言ってしまうことは誰しもあると思います。結構ちょこちょこと会っている場合は変化を感じにくいのはわかりますが、２０年ぶりに会っても「変わってないね」と言うのが定番です。それもお世辞で言っている場合もあるかも知れませんが、大半は本当にそう思って言ってしまいます。

　これはやはり昔の面影を見つけて自分で画像補正をしているのでしょう。整形でもしていない限りは、目元とか笑顔とか、同じ人物である以上、自然に年を取っただけなら面影は簡単に見つかります。そういう部分を見つけて「ああ、変わっていない」と安心するのです。実際に若い頃の写真と並べて比べたら、結構大きく変化していたりするんですけど。

　もうひとつの勘違いは、相手のことを出会った頃の年齢につい感じてしまうこと。初めて会ったのが２０歳だったとしたら、２０年経っていても未だに２０歳プラスアルファくらいの年齢に思ってしまいます。同時に自分まで当時の年齢の気分になります。これは一種のタイムスリップ現象で、２人一緒に当時の年齢に戻れてしまうので、だから同窓会なんかやると学生時代の気分がふつふつと沸いてきて、みんなで揃ってタイムスリップしたような躁状態になってしまったりします。

　「同窓会不倫」が流行るのも、傍から見れば単なる中年男女なのに、本人たちは学生時代の気分に戻ってしまっているからです。３０代なら同窓会で不倫するのも年齢的にわかりますが、５０代になってもまだそういう気分になれる人もいるようで、人間の心と言うのはなかなか大したものだと思います。