ＡＴＰツアーファイナルの組み合わせが発表されました。それがニュース番組のスポーツコーナーで取り上げられるなんて、本当に錦織効果は絶大です。これまでなら大会そのものも全く無視されていました。テニスファンを除くほとんどの日本人がそんな大会があることすら知らなかったことでしょう。と言うか、テニスファンだって知らない人が多いですから仕方ないですけど。

　このツアーファイナルは強い選手が決まっています。シーズン終盤まで体を壊さない選手、そしてインドアハードが得意な選手。今大会ならフェデラーとジョコビッチです。この２人は本当にこの大会に強く、これまでフェデラーが６回、ジョコビッチが３回優勝しています。ナダルもマレーも優勝経験がないのは、この２人が圧倒的にファイナルに強いからです。

　当然今大会の優勝候補も本命ジョコビッチ、対抗フェデラーということになります。そしてこの２人以外で優勝の可能性があるとしたら、僕は錦織ではないかと考えています。マレーも好調ですが、ジョコビッチ、フェデラーには勝てる気がしません。対戦回数も多いだけにお互いの手の内を知り尽くしていますから、本調子同士で戦えばマレーは２人には及ばないでしょう。

　それに対して錦織は２人に複数回勝っていて、対戦成績もほぼ互角。まだまだ成長途上の錦織だけに、２人もかなり警戒していることでしょう。ただ錦織の鬼門はマレーなのです。過去に３戦全敗と苦手にしています。そして組み合わせの結果、錦織の組はフェデラー、マレー、ラオニッチという厳しい組になってしまいました。いま調子を上げている選手ばかりです。ライバルであるラオニッチも強敵ですが、それ以上にマレーとフェデラーのどちらかを倒さないと２位以上による決勝トーナメントに進めないわけですから、ここはいよいよマレーから初勝利しかありません。初戦で当たるマレー戦に勝利して調子の波に乗れば、ますます夢は広がると思います。