幹事クリタのコーカイ日誌2014

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11月2日 ● 常識なのはワンオクかスティービーか。

 最近キリンビバレッジの缶コーヒー「FIRE」の新しいCMがよく流れています。音楽も懐かしいスティービー・ワンダーの「To Feel The Fire」。この曲はキリンがFIREを発売した時にCM用にスティービーに依頼して作った曲として知られています。僕が当時会社内で聞いた話では、依頼してみたもののイメージと違う曲が出来上がってきたので、作り直しをスティービーに頼んだという恐れ知らずの話で、あれだけの世界的アーティストにCM曲を作らせるだけでもすごいのに、やり直しまでさせるとは度胸があるなと感心したのを覚えています。たかだか15年ほど前の話で、そんなに昔でもありません。

 ところが今回久しぶりにその曲をCMで復活させたところ、若者が「ワンオクのパクリ」だと話題になったそうです。(Yahoo!ニュース「知らない外人が「ワンオク」をパクッた!? スティービー・ワンダーを聞いたことない若者たち」)。大人は笑ってしまうような話ですが、若者の中には知らない人がいても仕方ありません。全員が知らないというわけでもないでしょうし、中にはそういう人もいるというだけのことですから。

 松岡修造がテニス選手だったことを知らないというのは、既にCMネタにもなっていじられていますし、彼以外にも元スポーツ選手、元アイドル、元フォーク歌手、はたまた元お笑い芸人だった俳優やタレントなんてたくさんいます。生まれる前のことを知らなくても責められません。なにせ大半の人は学校で習った歴史の知識ですらほぼ忘れているのです。学校で習っていないことなど知るはずもありません。

 だから年を取ると若者の無知を嗤うのではなく、それだけ自分が年を取ったことを自覚した方が良いのです。自分の常識が世間の常識とズレてきているのですから。スティービー・ワンダーはもう常識ではなくなりつつあるのです。そのズレを認めないでいると、いつの間にか自分自身が「ズレた年寄り」として見られてしまいます。

 ちなみにワンオクのボーカルは森進一・森昌子元夫婦の長男で元ジャニーズでNEWSの元メンバー。この話も「元」だらけで、森進一と森昌子が夫婦だったことがすでに忘れらかけているし、そもそもこの2人の「森」がスティービー・ワンダー並みに若者には知られていないので、若者にはピンとこないかも。何が常識なのか難しいです。


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