幹事クリタのコーカイ日誌2014

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10月20日 ● 幻の名古屋オリンピック。

 「名古屋五輪」を聞いて苦い顔をするのは名古屋の50代以上でしょうか?1988年の夏季五輪開催に立候補しながら1981年のIOC総会でソウルに開催地争いで負けた名古屋。あれ以来、名古屋の大人たちはオリンピックの話はタブーでした。それほどあの敗戦のショックは大きかったのです。オリンピックの代わりに万博招致を実現し、2005年に愛知万博を成功させたことで少しトラウマは癒されましたが、未だに「名古屋五輪」のことを積極的に話す大人はあまりいないようです。

 そのせいで思わぬ世代格差が生まれています。名古屋の人でも30代以下だと名古屋でオリンピックを開催しようとしたことを知らないのです。僕は最近10人くらいの20代30代の地元出身者に聞いてみましたが、誰も「名古屋五輪?聞いたことないです」と口を揃えて言いました。僕が「名古屋でオリンピックを開こうと立候補したんだよ、ソウルに負けたけど」と言うと「知らなかった」「聞いたことがない」と驚いています。

 もちろん彼らにとって生まれて間もない頃、もしくは生まれる前の話ですから、一定の割合で知らない人間がいるのは仕方ありません。とは言え、自分が生まれる前の話でも、大きな事件ならある程度は聞きかじったことがあるものです。まして国民的な関心事であるオリンピックを地元名古屋で開催しようとしたというのに、それを全然聞いたことがないと言うのなら、それは敢えて親も周りの大人も口にしていないということでしょう。なにせ知事の自殺まであって(原因が本当に五輪誘致失敗のせいかどうか謎ですが)、決して愉快な話ではないし、子どもに教えなくても特に問題ないことですから。

 しかし、あれから30年余り。いくらなんでもそろそろ解禁しても良いと思います。確かに負けたのは残念ですし、当時のショックも大きかったのですが、だからと言って地元民がそんな重大な出来事を次世代に隠しておくのもおかしいし、きちんと語り継ぐべきことは語っていかなければ何の糧にもなりません。僕は死んだ後になるかも知れませんが、いつかまた名古屋でオリンピックをという話になったときのためにも。


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