すっかり書くのを忘れていましたが『ごめんね青春！』第１回。クドカン脚本ということで最初から見る気満々でしたが、予想通りの面白さでした。まだ初回だけでは油断なりませんが、今後いろいろと隠された謎が明かされていくのではないかと思うと２回目以降も楽しみになります。

　予想以下だったのは小ネタの分量。男同士の「壁ドン」や「クローズゼロ」やと、ちょこちょこネタを出してきていましたが、過去作品に比べたら連射感は少なく、まだ出し渋りな感じ。まあこれについては、今後増えてくる可能性もあるので期待しながら見ていくつもりです。それからテンポが思ったより遅かったことも残念。『木更津キャッツアイ』や『うぬぼれ刑事』並みにとはいかなくても、もう少しアップテンポで畳み掛けるように展開しても良いのではないかと思いました。

　逆に予想以上だったのはまず映像の美しさ。クドカンのドラマは脚本ばかりが目立ちすぎて、映像や演出が印象に残らないことが大半ですが、このドラマは田舎ののどかな風景やら花火のシーンやら学校内の様子やら、絵を美しく撮ろうという意識の高さを感じます。それに合わせて演出も抑え気味ですが端正なイメージでやり過ぎないところが好感が持てました。これは『あまちゃん』がヒントになったのかもと勝手な推測ながら思いました。

　錦戸亮、満島ひかりの２人は演技に定評があるので安心して見ていられます。脇のベテラン実力派たちは伸び伸びと全く普通じゃない人々を怪演。そしてこれからブレイクしそうな若手俳優たちが生徒役で出演していますが、彼らがどういった演技を見せるかが今後の楽しみです。このあたりのキャスティングはさすが磯山晶Ｐだと思います。

　なおオーバー５０歳の人たちには懐かしい森田健作主演『おれは男だ！』を思い出させてくれるかも。金八以前の健やかな問題意識のない学園ドラマが好きな人には、ほのぼのと明るいところが気に入るのではないかと思います。