幹事クリタのコーカイ日誌2014

[ 前日翌日最新今月 ]

10月13日 ● 若者に説教したくない症候群。

 誰だってそうでしょうが、10代や20代の頃は上の世代に反発を感じて、素直にアドバイスも聞けないものです。最初から「年寄りとは違うんだ」と思っているので、何か言われても「うるさい」「古い」とネガティブに反応してしまいます。いま思えば先輩諸氏は親身になって言ってくれていたのに、本当に当時の自分は生意気で思慮が足りませんでした。今さらながら反省をしています。もう遅いけど。

 で、いまは逆に若者に忠告とか説教をする年齢になったわけですが、昔のオジサンたちのように口煩く若者に何か言う気にはなかなかなれません。第一に面倒くさいし、第二に当時の自分と同じく彼らも素直に聞いちゃくれないだろうし、第三に嫌われたくもないからです。心の中では「わかってないな」とか「そりゃ間違ってるよ」とか思っていても、いちいち口に出して言うのは結構エネルギーがいるので、黙って放置してしまいます。

 もちろんアドバイスとして素直に喜ばれそうなことなら言うこともありますが、いかにも年寄りが言いそうな説教だなと自分で思うと「言うのヤメ」となります。目上の人と接する時には帽子を被ったままでは失礼だ、とか、みんなで話しているのにスマホばかり見ているんじゃない、とか、いきなり朝から「お疲れ様です」と挨拶をするな、とか、静かなオフィスで手を叩いてバカ笑いするな、とか、何かお世話になったらきちんとお礼をしろ、とか、相手先を訪問する時には手土産を持参しろ、とか。彼らの目に付く至らない点はいくらでも出てきます。

 ただ、よくよく考えれば僕たちが若い頃に比べれば、いまの若者たちの方がそれでもずっと礼儀正しいし、マナーも守ろうとしています。彼らがきちんとしつけられた室内犬なら、僕たちは吠えてばかりの庭の犬小屋にいるバカ犬で、恐らく僕らの先輩たちは首輪もつけていない野良犬だったと思います。自分たちのことを振り返ると、若者に説教なんておこがましいと感じるのも、言わない理由のひとつかも知れません。

 説教されない若者は可哀想なのかもとは思います。教えられないままに、いい年した大人になってしまいますし、自分が教えられなかったら、その下の世代に伝えていくこともできません。でもアドバイスを求められたのならともかく、横からしゃしゃり出てまで言うのは、やっぱり抵抗あるんですよね。僕だけではなく、同世代を見ているとそういう人が多い気がします。ある意味、「優しさ」の皮を被った「逃げ」です。昔の先輩たちは本当にメンタル強くて偉かったな。


gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」