幹事クリタのコーカイ日誌2014

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10月6日 ● 錦織の見事な優勝。

 錦織フィーバーに沸く楽天ジャパンオープンは錦織が期待通りに見事優勝を飾りました。今シーズンなんと4勝目、そして東京では2年前に続く2度目の優勝ですが、今回の方がはるかに内容が濃い素晴らしい優勝だったと思います。

 決勝の相手はやはりライバルのラオニッチ。今年すでに4回目の対戦。全米での熱戦が記憶に新しいところですが、ウィンブルドンでは完敗しています。そして2年前のこの大会優勝の時の相手もラオニッチでした。1歳違いで最強の「矛」(サービス)と最強の「盾」(リターン)を持つ2人の対戦は常に緊迫した戦いになる宿命なのかも知れません。

 熱いライバル対決は最後に錦織の盾が威力を発揮し、ラオニッチのファーストサービスをことごとくリターンしてマッチポイントを握り、そのまま勝利しました。ワンチャンスを生かした錦織の勝負強さが遺憾なく発揮された試合であり優勝でした。そして今大会の優勝がなにより素晴らしかったのは、錦織の体が連戦でのハードスケジュールで悲鳴を上げていたにも関わらず、それでも自信を持って最後まで戦い勝ちきったことにあります。それはコーチのマイケル・チャンが鍛えに鍛えたフィジカルとメンタルの強さが成果を導き出したということです。

 錦織は天才です。天才ゆえに忍耐が必要な反復練習や体力作りを嫌がっていたそうです。マイケル・チャンは逆のタイプの選手でした。ひたすらハードトレーニングで鍛え上げたフィジカルと、強靭なメンタルを武器にして、はるかに大きくてパワフルな選手たちと戦ってきました。そのマイケル譲りのハードトレーニングが天才錦織に課せられ、これまで簡単に悲鳴を上げてダウンしていた錦織の体をはるかに強くしなやかにしました。そしてそのフィジカルの強さが錦織の自信となって、さらに天才のパフォーマンスが上がるという相乗効果を生み出しています。

 連戦で本当はしっかり休息を取りたいところでしょうが、アジアシリーズの仕上げとなる上海マスターズがすぐに始まります。東京と北京で別れて戦っていたトップ選手たちが一堂に会するシーズン終盤の大事な大会です。トップ8人しか出られないツアーファイナルに向けて、厳しい戦いが続きます。願わくば故障を起こさないで乗り切って欲しいと思います。


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