幹事クリタのコーカイ日誌2014

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9月9日 ● 錦織に続く選手をいかに育てるか。

 錦織がここまで大きく成長し活躍した途端に、これまでほとんどテニスに見向きもしなかったマスコミが大騒ぎし、その騒ぎに煽られて普段はテニスに全く興味もなかった人たちがまた騒ぎ出しています。WOWOWの加入申し込みはパンク状態だとか、テニススクールにもいきなり入会希望者が増えたとか。今月末の楽天ジャパンオープンもきっとこれまでになく注目されることでしょう。

 もちろん、それが悪いわけではありません。テニス界にとってはこれはビッグチャンス。テニスに注目が集まるということは、お金も集まりやすくなるということです。このチャンスにスポンサーを獲得し、施設を整え、選手を育成できる環境を作っていかなければなりません。裾野を広げることによってトップも高くなるのです。じゃないと錦織が引退して後進が育っていなかったら、また誰もテニスを見なくなってしまいます。

 錦織のことを「日本人選手」としてマスコミは扱っています。もちろん錦織は生粋の日本人だから間違いではありませんが、彼のテニスの才能を開花させたのはアメリカです。13歳から渡米し、IMGアカデミーでトップ選手たちと一緒に鍛えられたからこそ、世界レベルの選手に育ったのです。もし日本にとどまっていたら、恐らく錦織ほどの天賦の才があってもせいぜい松岡修造を超えてトップ30くらいが限界だったのではないかと思います。

 今後も有望な少年少女を発掘したら、どんどんアメリカに送り込むのもひとつの手でしょう。現に今大会ジュニアの男子ダブルスで錦織以来の優勝を果たした中川直樹も錦織の後を追ってアメリカのアカデミーで練習をしています。いまの日本選手が世界に近づく最短距離は海外に本拠を移してプロを目指す、それはなんら間違っていません。

 ただできることなら日本国内で育った選手でもトップ30に入れるような育成システムを早く完成させるべきです。ローティーンの選手が錦織のように海外生活に必ずしも適応できるとは限りません。それで潰れてしまったらそれだけの器だったというのは非情だし不親切です。相手は子どもなんだから、それぞれの子どもに合わせた育成方法があるはずです。世界に出るのは早い方が良いとは言え、なんでもかんでもアメリカに放り込むのではなく、日本でもステップアップできるという選択肢が必要です。錦織が活躍する今後数年間のうちにスポンサーを集めて、日本国内に素晴らしい育成環境が整うことを願っています。


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