幹事クリタのコーカイ日誌2014

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7月8日 ● ウィンブルドンの名勝負がまたひとつ。

 ウィンブルドン男子決勝戦。芝の王者フェデラー対総合力ナンバー1のジョコビッチ。いま芝の上で戦うなら考えうる最高の組み合わせだと思います。両者の対決は35回目。過去18勝16敗でフェデラーがリードしていますが、ほとんど拮抗しています。そしてフェデラーのコーチはエドバーグ、ジョコビッチのコーチはベッカーと、かつてライバルとして3年連続でウィンブルドンの決勝を戦った2人が、それぞれの陣営についているというのも、よりいっそう興味を引き立たせてくれました。

 試合はほぼ互角ながら、ストロークではジョコビッチに、サービスとボレーではフェデラーに分がありました。特にフェデラーのサーブ&ボレーはこれぞ芝での戦い方だと、オールドファンが懐かしさで涙にくれそうなほど古典的で美しいスタイル。さすがエドバーグコーチについただけのことはあります。対してジョコビッチは強力なフォアハンドが凄みをましていて、フェデラーと打ち合いに持ち込めば有利に試合を運べます。ブレイクされそうな危機は常にフェデラーにありました。

 第1セットは両者譲らずタイブレークになり、ミニブレイクのいったりきたりの果てにフェデラーが取りました。しかし、第2セットはジョコビッチがブレイクをひとつってジョコビッチ、第3セットもタイブレークを制してジョコビッチと、じわじわと体力面で勝るジョコビッチのペースになります。何よりフェデラーはブレイクできそうなチャンスがほとんどありません。厳しい戦いが続きます。

 そして第4セットもジョコビッチが有利に試合を運んで5-2とリード。チャンピオンシップポイントもあって、これはこのままジョコビッチで決まるかなと思っていたら、そこからフェデラーが鬼気迫る追い上げを見せ、なんと5ゲーム連取して7-5でフェデラーが取ってファイナルセットにもつれ込みました。こうなると試合の行方はわかりません。

 流れでは追い上げたフェデラーが有利かと思いましたが、しかしスタミナで勝るジョコビッチが長引けばチャンスがあるかも知れず、どうなるかわからないままファイナルセットも4-5となってフェデラーのサービスゲーム。ここでフェデラーがわずかに乱れました。一気にその隙を突くジョコビッチ。フェデラーも踏ん張りますが、最後はジョコビッチが押し切って優勝を勝ち取りました。

 ジョコビッチ自身が「最高のファイナル」だと言うように、実に質の高い密度の濃い試合でした。4時間近い長丁場だったにも関わらず、お互いに一歩もひかずに攻め続け、ミスが少なく緻密な攻防を繰り広げました。フェデラーの試合内容は全盛期を上回っていたと思いますし、それを制したジョコビッチはまさに「史上最強」の強さを見せつけました。過去に何回も名勝負を繰り広げられたウィンブルドン男子決勝ですが、これもまた長く語り継がれるべき素晴らしい試合だったと思います。


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